個人でできること
アンバサダー
の声

Vol.78 仲本 千津 さん

2026年10月25日


私たちの活動を継続的に支えていただいているアクセプト・アンバサダーの声を紹介する本コーナー。

「アンバサダーの声」第78弾は、ウガンダの女性が誇りを持って働けるように尽力されている仲本 千津(なかもと ちづ)さんです。

仲本さん、この度はインタビューへのご協力ありがとうございます!まずは簡単なプロフィールについて教えてください。

アフリカ東部ウガンダにて、社会的に疎外されがちな女性たちがありたい姿を実現できるような機会を提供したいという想いのもと、アパレルブランドを経営しています。

高校時代に元国連難民高等弁務官の緒方貞子さんの影響を受けて紛争問題に関心を持つようになり、大学院ではサブサハラ・アフリカ(サハラ砂漠より南側のアフリカ地域)における比較政治を研究しました。研究を通じてその背景にある貧困問題にアプローチしたいと考えるようになり、紆余曲折を経て、2015年にウガンダでアパレルブランド「RICCI EVERYDAY」を創業しました。

RICCI EVERYDAYでは、ウガンダのシングルマザーを中心とした女性を作り手として雇用しており、彼女たちがアフリカの布やウガンダのサステナブルな素材を用いてつくったバッグやお洋服を日本で販売しています。ウガンダでは失業率が高く、特にシングルマザーをはじめとした社会的に疎外されやすい女性たちにとって厳しい環境なのですが、彼女たちが経済的自立を獲得し、誇りを持って働けるように、私も日々奮闘中です。

RICCI EVERYDAYの工房での製作

ウガンダの女性が創った商品の数々

高校・大学時代からの思いをまさに現場で実現されているのですね。

そんな仲本さんがアンバサダーになっていただいた一番のきっかけや続けていただいている理由は何ですか?

先ほどの通り紛争解決にもともと関心があったのですが、今の仕事を通じて、紛争が人々に与える影響を改めて感じています。

例えば、以前他のNGOと共同プロジェクトを行ったことがあるのですが、その際にゲリラに誘拐され子ども兵として活動していた方にお会いしました。その方が「ジャングルの中で戦うことはもちろん地獄だったけれど、自分の村に戻ることができた後も、親戚から『人殺し』と言われたり差別を受けたりしたのが辛かった」と言っていたのが、印象に残っています。「自分が殺されるか、家族が殺されるか」という過酷な状況でやむを得ず子ども兵になったにも関わらず、そんなことを言われるのか、とショックを受けました。

またウガンダには現在、隣国・南スーダンの紛争から逃れてきた人が多く暮らしています。私は昨年から、難民居住地区で難民の方々の生計向上を目指したプロジェクトを行っているのですが、昨今の国際援助の後退の影響で現地のNGOなどが活動停止を余儀なくされるのを見てきました。

そういうこともあって、紛争解決に関する活動を応援したいと思い、アンバサダーを続けています。

アフリカンプリントなどのマーケット

アパレル業に加えて難民の方に向けたプロジェクトも行っているとのこと、とても素敵です。

そうした経験を踏まえて、紛争解決のために必要なことはどんなことだと考えていらっしゃいますか?

色々あるとは思いますが、一つは仕事を生み出すことだと考えています。仕事は、単にお金を生み出す手段ではなく、人に居場所を与えますし、仕事を通じて誰かに感謝されることで自分の必要性を感じられたり、誇りを持ったりできるからです。

アクセプトさんの言う通り、「テロリスト」は必ずしもそうなりたくてなったわけではなく、収入や居場所がないためにテロ組織のリクルーターに付いて行ってしまった人もいます。もし仕事を通じてある程度の収入と仲間が得られて、「自分はここにいて良いんだ」という感覚を持つことができたら、テロ組織からの勧誘があっても思いとどまることができるかもしれない。仕事は、「テロリストではない人生の選択肢」を提供してくれると思っています。

実際、私のスタッフたちも仕事を通じて大きく変わりました。初期メンバーの一人であるグレースは、出会った当初、子どもたちを学校に通わせることができない自分を責めていました。彼女は初め、何の技術も持っていなかったのですが、レザーを縫うスタッフとして活躍してくれました。自ら得た収入で、崩れそうだった家を立て直すこともでき、子どもたちは皆高校や大学にも進学しました。その経験を通して、彼女自身も自信を取り戻すことができ、写真でもわかるくらい表情が変わりましたね。

社会的に疎外された存在であっても、居場所を提供してエンパワーすることができればこんなにも変わることができる。これはアクセプトさんの活動にも通じるのではないでしょうか。

表情も明るいグレースさんとの一枚

まさしく仕事は収入を得ること以上に、一人一人のアイデンティティの一部になっていると感じます。グレースさんの自信に満ちた表情、素晴らしいですね。

アクセプトとの関わりで、何かご自身の中での変化はありましたか?

アクセプトさんから影響を受けたことの1つに、当事者との向き合い方があります。「テロリスト」を「テロリスト」と呼ばないなど、当事者目線で考えて活動していることが伝わってきて、良いなと思っています。

私もスタッフと話すときは、彼女たちの目線にたって対等に話したいと考えていますが、その重要性を改めて意識させられます。

ありがとうございます。同じ人間として同じ目線で語ることの大切さを、私自身も改めて感じています。

最後に読者に向けて何かメッセージをお願いします。

国際協調が後退する中、難民やテロリストといった人々の存在は忘れ去られがちです。しかし、そうした存在を無視し、自国中心主義に走ることは砂上の楼閣に等しく、社会に歪みを生む結果となります。この問題を自分自身の問題として考えつつ、ニュースがあれば少しでも関心を寄せていただけたら良いのではないかと思います。

▲難民居住地区でのプロジェクト


仲本さん、今回はお忙しいところインタビューにご協力いただきありがとうございました。

ウガンダの女性が誇りを持って働けるように尽力されている様子をお伺いし、改めて1人1人と向き合うことの大切さを学ばせていただきました。

「共に憎しみの連鎖をほどく」ため、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

インタビュー担当:南部壮太郎

RICCI EVERYDAYのサイトはこちら:
https://www.riccieveryday.com/?srsltid=AU7gw4UsOYR0MexOlrBNpjamRzYtLu-hLU9fvOxRhR3vTztrUKD0jCMK


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