活動内容
ケニア

ギャングを、
社会変革のリーダーに

社会の中で排除され、ギャングになってしまったソマリア人の若者たちを、若者として社会に戻していく取り組みをしています。彼らの違法性の高い行為を減らすとともに、彼らがさらに過激化し、テロリストになる道を選ぶことを防ぎます。

ケニアは、世界でも有数の難民受け入れ大国であり、2018年時点で難民キャンプを中心に48万人以上の難民を収容しています。溢れかえるほどの多くの難民の中でも、ソマリア人の難民は全難民数の半数以上に上り、ソマリアからの難民は310万人近くにも及びます。また、ケニアでは、近年ソマリアを拠点に活動しているイスラム過激派組織「アル・シャバーブ(Al-Shabaab)」によるテロ活動が展開され、多くの犠牲者が発生しています。そのため、ケニア政府により、アル・シャバーブと出身国が同じソマリア人難民・移民に対する抑圧が強まっています。

首都ナイロビ市内にも、ソマリア人が全体人口の90%以上を占める居住区が存在しています。このソマリア人居住区イスリー地区はアル・シャバーブのメンバー潜伏や協力者の存在が指摘されており、窃盗、薬物取引、殺人などの犯罪発生率も非常に高い地域です。

このような犯罪の主犯格は、「ソマリアギャング」と呼ばれる、15~29歳の犯罪グループに属するソマリア人の青年たちと言われています。彼ら、ソマリア人ギャングは、様々な理由により窃盗や傷害事件に加担しています。また、アル・シャバーブをはじめとする過激派組織の勧誘を受け、将来ソマリア周辺域で発生するテロに従事することが危惧されています。犯罪者である彼らは地域社会で恐れられ、ケニア政府や警察は、極めて強行な取り締まりを実施しています。ソマリア人ギャングへの適切なケアが求められる一方で、彼らのケアに特化した取り組みは非常に限られていることから、私たちは2013年から彼らへの取り組みを続けています。

ケニアにおける取り組み

脱過激化・積極的社会復帰事業

社会から犯罪者として敬遠されているソマリア人ギャングですが、彼らの多くは15~29歳の若者であり、その将来性ゆえに「未来の社会を形作っていく存在」であるとも言えます。私たちはそのような彼らの将来性に着目し、彼らを犯罪者として排除するのではなく、未来ある若者として受け入れ、彼らが自ら道を切り開く能力を培う脱過激化・積極的社会復帰支援事業を展開しています。2013年夏に開始されたこの取り組みは、これまで160名以上のギャングの受け入れと脱過激化、1つのギャング組織の解体といった成果を挙げてきました。

本事業では、半年間を1タームとして、1人のギャングに対して計3ターム(1年半)以上のプログラムを実施し、量ではなく質をしっかりと意識して取り組みをしています。プログラムは次に挙げる5つのコンテンツで成り立っており、参加者の段階に応じて異なるプログラムを提供しています

  • ・1ヶ月間の①意識改革プログラム(参加型議論と講義、社会貢献活動、リーダーシップ講座、修了式)
  • ・5ヶ月間の②薬物更生プログラム、③カウンセリング、④スキルトレーニング、⑤就労支援

こうした取り組みを通じて、ソマリアギャングが現状加担している反社会的行為から距離を置き(脱過激化)、「未来の社会を形作っていく存在」となるために、自身あるいは社会の問題を解決する姿勢を身につけること(積極的社会復帰)を目指しています。

偏見を捨てて、俺たちの話を聞いてほしい。
それが俺の社会に対する唯一の願いだ。

— 元ソマリア人ギャング / バルショーショ

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