活動内容
活動
アプローチ

テロと紛争という分野
だからこそ、
武力ではなく
平和的なアプローチ

なぜ人はテロリストになるのか。それらの問いに対する普遍的な理論は存在していません。しかしながら、人権が侵害されたり、将来や現状への絶望を感じたり、生きるか死ぬかの瀬戸際に追い込まれたりしたとき、暴力的過激主義が姿を現すということを私たちは知っています。

2015年、国連は、人間、地球及び繁栄のための行動計画として、17の目標と169のターゲットからなる「持続可能な開発目標(SDGs)」を策定しました。SDGsでは「誰一人取り残さない」という考え方が述べられています。

その考え方の重要性は、テロと紛争の解決においても同じです。社会から、世界から、無視され、拒絶される人々に寄り添い共に歩もうとする姿勢こそが、テロと紛争の解決、ひいては世界の恒久的な平和に必要不可欠であると考えます。

誰もテロリストとして生まれた人はいません。私たちアクセプト・インターナショナルは受け入れるという姿勢を軸に、武力ではなく平和的な手法を用いてテロと紛争に立ち向かいます。

活動地域

私たちは、テロと紛争の問題が深刻なものの、取り組みが少ない場所で活動をしています。

現在はソマリア、ケニア、インドネシアの主に3カ国で活動しています。これまで、ナイジェリアや中国(新疆ウイグル自治区)でも活動を行ってきました。現地政府や現地コミュニティはもちろんのこと、国連や世界規模のユースネットワークとも協働し、活動しています。

「若者の過激化防止」と「テロリストやギャングといった暴力的過激主義者の脱過激化・積極的社会復帰」の2つを軸にテロと紛争の解決に寄与しています。また、社会や世界から無視されている人々に対しても必要に応じて、適宜状況に即した持続可能な支援をしています。

過激化しやすい若者たちの過激化防止事業に加えて、私たちはテロリストやギャングなどの紛争当事者を脱過激化し社会変革の主体者に育成する「脱過激化・積極的社会復帰事業」を基軸にテロと紛争の解決に向けた好循環を創ります。本事業は2013年にソマリア人ギャングに対して創り上げた私たち独自の取り組みであり、国連をはじめ国内外で高い評価をいただいています。

  • 脱過激化

    De-radicalization & Dis-engagement

    暴力的過激主義思想や違法性の高い行為からの脱却を支援します。思想的な脱過激化では、宗教的・政治的な信念の達成のために暴力的・違法的手段をとってもいいという考え方を、そう考えるに至った経緯や思想体系に寄り添いながらも変革します。行為的な脱過激化では、テロなどの行為や過激化グループへの所属からの脱却を行います。

  • 積極的社会復帰

    Positive Reintegration

    対象者が現地コミュニティで生活を成り立たせ、社会を変える主体者として自身を取り巻く厳しい現実に向き合えるよう支援します。実際的な経済・社会的生活を成り立たせる支援とともに、社会をよくしようとする「社会変革の主体者」としてのアイデンティティの構築を目指します。これには更生や矯正といった姿勢よりも、再過激化を予防できるという戦略的な意図があります。

従来、紛争解決は和平合意の締結によって行われてきました。これは、紛争当事者と対話することにより、解決を導く方法です。しかし、近年増加しており現在発生している紛争の約44%を占める「テロ組織が当事者として関与する紛争」においては、彼らと対話することが非常に難しく、国際社会は解決のための新しい方法を模索しています。

私たちは、テロリストやギャングなどの紛争当事者が脱過激化・積極的社会復帰を果たせる道を築くことで自主的な投降を増やすこと、そして、新たな加入者を生み出さないことで紛争解決の好循環を生み出します。テロリストやギャングの多くが若者であることにも着目し、彼らが持つ可能性にも着目して事業を実施しています。

その独自性も高く評価されている「脱過激化・積極的社会復帰事業」は、ワークショップや社会貢献活動などを含む「脱過激化セッション」と、長期にわたるモニタリングやカウンセリングを含む「社会復帰フォローアップ」に大別できます。テロリストや投降兵が主な参加者となりますが、画一的なプログラムとして実施するのではなく、実施国や現場の状況に応じて内容をアレンジすることで確かな成果を生み出しています。

  • 脱過激化
    幻滅対策プログラム

    社会に戻ったものの、思うようにいかなかったときに再過激化のリスクは高まります。だからこそ、起こりうる障壁を事前に洗い出し皆で対応策を検討することで、再過激化のリスクを抑えます。

  • 脱過激化
    和解に向けた対話プログラム

    コミュニティの代表者を招いて対話セッションを実施することで、社会側の考え方に触れ、和解に必要な要素を理解します。また、コミュニティの方々はテロリストや投降兵、ギャングの実情に触れてもらうことで理解を深めます。

  • 社会復帰
    スキルトレーニング / ライフスキルトレーニングプログラム

    経済的・社会的自立を目指して現場に似合ったスキルトレーニングや就労支援を実施しています。また、情報へのアクセスや周囲との関係構築をはじめ実際的に厳しい現実の中で生きるためのライフスキルトレーニングも力を入れています。

  • 社会復帰
    長期カウンセリング

    社会に飛び立った後も参加者と連絡が取れる体制と、いざという時に頼ってもらえる関係を構築します。そのうえで、定期的なモニタリングとカウンセリングを実施しています。また、ビジネスプランの相談や投資なども行い社会復帰を後押ししています。

君たちは僕に希望を与えてくれた。
僕を変えたのは紛れもなく君たちさ。

— 元ソマリア人ギャング / アブディファター

1991年、ソマリア南部キスマヨ生まれ。ソマリア内戦の激化に伴い、幼少期に隣国ケニアに避難。不法難民として難民キャンプ周辺からナイロビに逃れ、ソマリア人難民移民居住区イスリー地区に流れ着く。そこから自分が生き延びるために、仲間を守るために、ソマリア人ギャング組織に加入。2014年にプロジェクトに参加。これまでマリファナなどの売買などで生活を成り立たせていたが、現在は後輩ギャングたちのケアや新規受け入れに精力的に参画している。

  • 国連人間居住計画(UN-Habitat)

    ハッサン・アブディカディール

    アクセプト・インターナショナルの考え方は、ソマリアはもちろん世界におけるテロに対する答えだ。テロ組織は見捨てられた人々にすり寄っていく。だからこそ、そのような人々をケアしなくてはならない。政府からも世界からも見捨てられた場所、人にコミットメントすることが今求められている。その中で、アクセプト・インターナショナルと共に価値あることを生み出せたらと思っている。

  • タワカルメディカルクリニック 院長

    アブディカディール・モハメド

    私たちは2013年から協働を開始したが、今やアクセプト・インターナショナルはこのソマリアとケニアの問題を根本的に解決する大きな仕事をしている。過激化した若者たちを変える鍵はアイデンティティや自尊心にある。彼らを過激化した若者たちをユースリーダーに変えていくという発想は非常にユニークなうえに有意義だ。

  • 元ソマリア人ギャング

    ジャンジェス

    俺は2015年の夏にアクセプト・インターナショナルのプログラムに参加した。これまで社会に相手にされたことがなかったから、俺たちに対して偏見無くフラットに接してくれたことにみんなで驚いたことを今でも覚えているよ。大切な時間だった。スキルトレーニングで手に入れた修了書を持って精一杯頑張って、今では街で電化製品関連の仕事を朝から晩まで毎日しているんだ。

自分が社会でどう思われているかは簡単に想像できる。
それでもやり直したい。

— イスラム過激派組織アル・シャバーブ投降兵 / アブディ

1996年、ソマリア中部バイドア生まれ。バイドアで育つも身寄りの家族が殺され、そこから叔父とともに生きることになった。テロ組織アル・シャバーブのリクルーターにモスクで勧誘されるとともに、すでにアル・シャバーブに賛同している友人たちからの圧力もあり、同組織に加入。軍事キャンプでのトレーニングを受けて活動をするも、1年後に投降を決意し仲間数人とともに投降。現在リハビリテーションプログラムに参加している。

テロと紛争のない世界を実現するために、
今世界で、あなたが必要とされています。