活動内容
パレスチナ

新しい視座から
和平への道を切り開く。

幾度もの争いと対立を繰り返してきたパレスチナで、若者リーダーたちとともに、これまでにない和平のための対話の場を創ります。また、彼ら彼女らと共に人道支援をはじめ平和の実現に向けた取り組みを同時に積み重ねます。

70年以上にわたる武力紛争・武装闘争、占領といった問題が続き、中東地域及び国際社会の安定に大きな影響を及ぼしてきたパレスチナ問題。未だ解決策を見い出せない中で、2023年10月7日にハマスがイスラエルを奇襲攻撃し、報復としてイスラエル軍が軍事作戦を開始して以降、パレスチナ情勢はさらに混迷を極めています。ガザでのパレスチナ人の死者数は、2024年9月までの間に少なくとも4万人を超え、負傷者は1万人近くに上っているとされます。親を失った子どもや、障害を負った人々も数えきれず、また、長期にわたる避難生活で感染症などにより命を落とす人も少なくありません。こうした危機の中で、停戦交渉が何度も行われていますが、オスロ合意の破綻をはじめとして有効かつ持続的な和平の実現には至っておらず、平和や人々の安全・生活の改善への道のりは遠いままです。

こうした状況を踏まえ、ガザにおける停戦に向けた国際的な働きかけや人道危機に対応することはもちろんのこと、同時に、新しい視座や視点をもって新たな和平プロセスを見出す取り組みが必要とされています。特に、これまでのイスラエル・パレスチナ間やパレスチナ内の対話への参加は、男性の年長者の政治指導者に限られており、今後の社会や平和の実現において大きな役割を担うべき女性を含む若者の参加は滅多にありません。また、こうした和平プロセスの前進や平和構築において、紛争当事者を含む若者たちが平和の担い手として積極的に参加し力強く行動していくことが必要です。

私たちは、紛争地であるソマリアやイエメンでの経験を活かしながら、将来を担う若者リーダーたちとの対話の場を創り、また彼ら彼女らと共に人道支援などの取り組みを行うことで、これまで取り残されてきた若者たちを起点とした和平や平和の実現への足掛かりを築いていきます。

パレスチナにおける取り組み

紛争当事者を含めた新たな和平プロセスに繋がる対話の場の構築

2023年10月以降、パレスチナの若者たちや現地の支援団体・NGOなどとの対話や議論を重ねてきました。これらを通じて、紛争当事者において、年長の政治指導者に比べて若者は柔軟性があり、現在の厳しい状況下でも新たな視座を持って対話に参加する意欲を示していることや、歴史的にも現在においても、パレスチナとイスラエル、またパレスチナ内部でも、様々な交渉や合意の場への参加は男性の年長の政治指導者に限定され、若者と女性が対話と和平プロセスにおいて声をあげる機会が極めて少ないということを改めて認識してきました。

これまで行われてきた数々の停戦合意や和平交渉への失意と怒りが渦巻く今日だからこそ、若者たち主導の新たな対話の場を創るべきだと私たちは考えています。具体的には、世界各地で対話のためのセッションを開き、パレスチナの若者リーダーを中心に、和平交渉や紛争解決の専門家の協力も得ながら、より意味のある合意やその実施について対話を深めていきます。日本のNGOとしての信頼性や、仲介者としての役割を積極的に活用していきます。

ガザへの緊急人道支援

急速に悪化するガザの人道状況を受けて、現地のNGOや地域社会の人々と協力し、人々の命や生活を守り改善する支援を行っています。例えば、長引く避難生活の中で、人々の生活状況や衛生環境の悪化による感染症の罹患などのリスクに対し、ガザ内の避難シェルターでの清掃・消毒活動、医療センターの設置、安全な飲料水の配布、感染症予防のための啓発活動などを実施しています。避難シェルターに住まう人々や紛争当事者の若者たちとともにこうした取り組みを進め、人々の間での信頼関係の回復や、若者を含む人々のレジリエンスの向上にも取り組んでいます。(調整中)

憎しみの連鎖をほどくために、
今世界で、あなたが必要とされています。