Vol.43 小針 美紀さん
私たちの活動を継続的に支えていただいているアクセプト・アンバサダーの皆様の声を紹介する本コーナー。
「アンバサダーの声」第43弾は、小針 美紀(コバリ ミキ)さんです。
小針さん、いつもありがとうございます!まずは、バックグラウンドやご経歴を簡単に教えてください。
IT企業でデザイナーをしています。 「デザイナー」というと美しいグラフィックや使いやすい製品、すてきなファッションや空間の「デザイン」を思い浮かべる方が多いと思いますが、私がやっていることは「企業変革のデザイン」です。
「企業変革のデザイン」には、事業を変えること、組織のカルチャーを変えること、既存プロセスをより良くすることなど、さまざまな分野があります。 私は前職が人事だったことから、組織のカルチャー変革を軸に、「社員がよりよく生き、働くための、体験のデザイン」を担当しています。
さまざまな方と対話することが多く、
対話の場ではグラフィックファシリテーションをすることもあります
ありがとうございます。では、アンバサダーになっていただいた一番のきっかけや続けていただいている理由は何ですか?
きっかけは、ソマリアからの留学生の話を聴いたことです。 そして、その後たまたまアクセプトの存在を知り、アンバサダーになりました。
その留学生とは、とあるデザイン思考伝道者のセミナーで出会いました。 セミナーでは、さまざまな社会課題の解決にデザイン思考が貢献してきた事例が紹介されていました。 質疑応答の時間にその留学生は、以下の通り気づきを共有してくださいました。
「デザイン思考が本当に社会課題の解決に寄与するとしたら、それを一番必要としている国はソマリアです。なぜならソマリアにはたくさんの課題があるから」
私は仕事の中でデザイン思考を伝えたり、デザイン思考をベースとしたワークショップを実施することがあります。この留学生の言葉によって、自分の仕事とソマリアがぐっと身近になりました。
身近にはなったものの、「自分に何ができるんだろう…?」という問いに、答えがないまま日々が過ぎていきました。 そんな中、たまたまアクセプトの存在を知り、「これなら自分も貢献できそうだな」と思って、アンバサダーになりました。
ソマリアからの留学生との繋がりはとても珍しいので驚きです。そんな小針さんがアンバサダーとしてアクセプトにご協力いただいた内容や、その感想などを教えていただけますか?
とある企業が、投資先のNPOを公募していることを知り、応募にチャレンジさせてもらいました。アクセプトの職員の皆さんと応募資料を練り上げる中で、活動をより知ることができました。 最近、社内外でアクセプトの話をする機会が出てきたのですが、皆さんとの協働経験によって、説明がしやすくなったなと感じています。
また、2022年3月に開かれたアンバサダーサミットのプレイベント(アンバサダー限定の交流会)では、アクセプト代表の永井さんや他アンバサダーのみなさんと、パネルディスカッションをさせていただきました。
お声がけいただいたとき「(私はアンバサダー歴も長くないため、有識者としてではなく)情熱枠でのアサインですよね、OKです!」と気軽にパネラーを引き受けたのですが、事前にいただいたディスカッションの問いが非常に考えを巡らせるものだったので、何を言葉にしたらいいのか悩み…。しかし、当日は温かい雰囲気の中、肩ひじ張らずに思っていることをお話しすることができました。
他のアンバサダーの方とも感想や考えを共有することができ、「悶々と一人で考え込むのではなく、まとまりきらなかったとしても何を思っているのかを表出し、それを受けとめ、フィードバックを返すことが、次の一歩につながる力になる」ということをあらためて感じました。
パネルディスカッションの一コマ
その節は本当にお世話になりました!そういったご協力内容なども踏まえ、アクセプト・アンバサダーになってからの変化は何かありましたか?
「今なお聴かれていない、語られていない声は、どのようなものか」と「対処療法ではなく、根本的な解決には何が必要か」を、より考えるようになりました。
これを考えるようになったきっかけは、永井さんの著書「共感という病」を読んでからです。印象に残っている一節を引用してご紹介しようと思ったのですが、あらためて読み直したら大事に思っている部分が多すぎたので、よかったらみなさんお読みになってください(笑)
本の宣伝もいただきありがとうございます(笑)では、これからのアクセプトに求めるものはなんでしょうか?
アンバサダーの交流会などで、アクセプトが実施していることの最新情報をお聴きすると、「自分の想像を超えるスケールで、ものごとがぐんぐん進んでいくな…すごすぎでは…」と感じます。
そうしたこともあり、私から「アクセプトに求めるもの」は今以上にないのですが、今後も「前例がないなら、私たちが挑戦する」の言葉通り、「誰も作らないけれど、本当に必要な道を作ること」をしていってもらえたらと思っています。
最後に一言、読者に向けて何かメッセージをお願いします!
アクセプトのイベントは、すべてが非常に刺激的です。 自分が見えていないもの、見ないようにしているものが、まざまざと見えてきます。
かといってそれが「心を重たくさせる体験」になってしまうのではなく、「ユーモアを持って、未来を考える体験」になる点が、アクセプトらしさなのかなと思っています。
骨太な現場の活動を実践しているからこそ、絶望するだけでは何も生み出さないことを知っている。 だからこそ、ユーモアを持って未来の可能性を拡げていく。
私はアクセプトのさまざまなイベントから、そのようなメッセージを受け取っています。
もしアンバサダーになることを迷っている方がいたら、何かしらのイベントに参加して、雰囲気を感じていただくことをおすすめします。
このインタビューを引き受けるにあたって、「アンバサダーの声」の記事を(たぶん)全部読みました。 「こんなにも、興味深い方々がいるのか…!」と気づいたので、まだ出会っていないアンバサダーの方とお話しできることを楽しみにしています!
小針さん、今回はインタビューへのご協力、本当にありがとうございました。
いつも本質的なコメントをいただき、私自身も勉強させていただいております。今後も様々な形でご一緒できればとても嬉しいです。引き続きどうぞよろしくお願いいたします!
インタビュー担当:山﨑琢磨
アンバサダーの声
- 2024.07.24
Vol.65「加害者にも目を向けようとするアクセプトの理念は、他にはない唯一無二のもの」太田 貴也 さん - 2024.03.29
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Vol.61「世界はどう変わるのか、私が生きている間に見ることができればうれしいです」鈴木 幸恵 さん - 2024.02.13
Vol.60「活動に賛同している意思表示としてアンバサダーを続けています」倉持 光代 さん - 2024.02.11
Vol.59「一度何かのイベントに参加してみると自分なりの関わり方を見つけられるのではないかと思います」近藤 英一郎 さん - 2024.02.04
Vol.58「寄付をさせていただいていると思っています」中村 千絵 さん - 2024.02.04
Vol.57「自分にはできないからと諦めるのではなく、時処位に応じて協力できることを考えていけたらいいなと思っています」榊原 美紀 さん - 2024.01.27
Vol.56「無理だと決めつけずにやってみること。この事を実現している団体に、私の考え方も大きく影響を受けました」鈴村 修 さん - 2023.12.17
Vol.55「『少し応援してみよっかな』くらいの気軽さでアンバサダーをはじめてみる人が増えてくれればいいな 」南條 佑太 さん - 2023.06.25
Vol.53 「1人の力では解決できなくても、同じ思いを持つ人たちが集まると、いつかきっと大きな力になると信じて」 中尾 千恵子 さん - 2023.05.23
Vol.52「私自身も『対話』を探求していくために、アンバサダーとして関わることで学ばさせていただいています」高橋 淳さん - 2023.04.06
Vol.51 「永井さんとアクセプトが創る未来を私は見てみたい。できたらそこに、私も参加していたい」 福田 広恵 さん - 2023.03.19
Vol.50 「アクセプトのアンバサダーでいることが誇り」 桐林 千登勢 さん - 2023.01.29
Vol.49 「永井代表の『僕らはソマリアギャングと夢を語る』を読んだのがきっかけです」 前田 関羽 さん - 2022.09.17
Vol.48 「大きな事象であるからこそ、一人ひとりに目を向けて、必要なことを一つ一つ考えていく」 沖村 里咲 さん - 2022.07.31
Vol.47 「子どもに『戦争がなくならないのは仕方ない』とは言いたくない」 矢野 俊樹 さん - 2022.07.31
Vol.46 「アンバサダーになってみて支援を『継続する』ことの大切さを改めて感じている」 成澤 里恵 さん - 2022.06.12
Vol.45 「小学校時代にアメリカの同時多発テロを体験して以来、長い間モヤモヤした気持ちを抱え続けていました」 小出 彩音 さん - 2022.06.06
Vol.44 「何かできる時は手伝いたいし、何もできない時でも支援したい」 加藤 祥晃 さん - 2022.06.02
Vol.43 「『今なお聴かれていない、語られていない声は、どのようなものか』とより考えるようになりました」 小針 美紀 さん - 2022.05.22
Vol.42 「アンバサダーとして、アクセプトの中にいる人たちの信念や生き様のようなものを伝えていきたい」 浦野 真理 さん - 2022.04.17
Vol.41 「テロリストも同じ人間、必要なことをやる、という非常にフラットながら革新的な行動姿勢に惹かれて」 田頭 風子 さん - 2021.10.31
Vol.40 「自分のシステム開発の経験を活かして、IT面を中心にサポートをしてきました」 安達 知仁 さん - 2021.06.30
Vol.39 「『私でも出来る、否、私だからこそ出来ることがありそう』と思えたのはアクセプトだけでした」 賀来 沙樹子 さん - 2021.05.16
Vol.38 「アンバサダーになったのは、他国の若者の未来へつなげることができると思ったからです」 小川 利久 さん - 2021.04.10
Vol.37 「テロや紛争解決といった難しい課題は、大きな機関のみが対応できるものだと勝手に思い込んでいました」 坂本 眞一郎 さん - 2021.02.20
Vol.36 「前例が無い中で難しい課題に自分と同じもしくは若い世代の方が懸命に取り組んでいる姿勢に感銘を受けた」 中野 響子 さん - 2021.01.22
Vol.35 「テロと紛争による被害も、『機会損失』が発生していると私は捉えています」 小川 隆弘 さん - 2020.12.20
Vol.34 「世界中の人々が、自身の未来の可能性を広げる、『教育』や『学び』を受けられる機会を持って欲しい」 鈴木 悠甫 さん - 2020.11.18
Vol.33 「海外ならではのエピソードをアクセプトの皆さんと懇親会などで共有できることが楽しい」 篠原 祥 さん - 2020.10.14
Vol.32 「もっと日本人にも『テロリズム』を身近な問題として認識してもらうことが必要」 福嶋 浩嗣 さん - 2020.09.09
Vol.31 「『受け入れる』という価値観・アプローチをここまで実践に落とされている団体は、唯一無二なのかな」 八名 恵理子 さん - 2020.08.12
Vol.30 「最初にプレゼンを聴いた時、どういう形であれ応援したい、活動に貢献したいと心底思う何かがありました」 益田 大輔 さん - 2020.07.15
Vol.29 「テロリストや過激な思想を持った人を、かつては『加害者』として私は一面的にしか見ていませんでした」 猪熊 風友乃 さん - 2020.06.10
Vol.28 「元テロリストに対するイメージの変化をもっと多くの高校生たちに体験してもらいたい」 金田 和大 さん - 2020.05.06
Vol.27 「この活動が拡がったら国際協力の世界が大きく変わるのではないか。そんな気がして応援を始めました」 福西 浩樹 さん - 2020.04.10
Vol.26 「アンバサダー限定イベントに参加し活動内容を知ることができて、新たな知識も身についた」 芥川 駿太郎 さん - 2020.02.01
Vol.25 「アクセプトを通して、テロや紛争の問題についてまずは『知る』ことで新しい世界との接点が増えました」 ロミ さん - 2019.12.23
Vol.24 「アンバサダーになってみて、実際に横のつながりが生まれていることがいいな、と感じた」 中構 優花 さん - 2019.11.04
Vol.23 「団体のお手伝いがしたいという思いと同じくらい『自分のため』という感覚も強いかもしれません」 臼田 輝生 さん - 2019.07.30
Vol.21 「メンバーと近い距離で交流することに、自分自身刺激をもらってます」 宮崎 貴博 さん - 2019.06.14
Vol.20 「団体の成長を近くで感じられることが感慨深かったです」 岡本 明訓 さん - 2019.05.07
Vol.19 「既成概念や枠組みに囚われず、新たな時代を切り拓くために必要な反骨精神や気概があるのを感じます」 杉浦 かおり さん - 2019.03.30
Vol.18 「紛争で奪われる命を守りたい、現場を自分の目で確かめてすべきことを判断したい」 大塚 千宙 さん - 2019.02.15
Vol.17 「アンバサダーになってから、紛争関連のニュースがより目に止まるようになりました」 二茅 理穂子 さん - 2019.01.16
Vol.16 「アクセプトには、企業の発想を転換させる大きな役割があると思います」 篠原 雄之 さん - 2018.12.18
Vol.15 「ソマリアやケニア、インドネシアなどのアクセプトの活動地におけるテロと紛争の現状を知れた」 渋谷 和彦 さん - 2018.11.29
Vol.14 「悲しみを終え平和と幸せに向かう旅路を支える」 生田 チサト さん - 2018.10.31
Vol.13 「他のアンバサダーの方々とも交流する機会があることが面白いと思っています」 齋藤 悠太 さん - 2018.09.30
Vol.12 「開院したクリニックに西真岡アクセプト・インターナショナルクリニックと命名させて頂きました」 眞塩 一樹 さん - 2018.07.31
Vol.11 「メンバーの方々も、アンバサダーは身内だと言ってくれます」 三浦 紗織 さん - 2018.06.30
Vol.10 「今後は県内の教育機関にリーチできる講演やイベントの場を作れればと思います」 北添 春菜 さん - 2018.05.31
Vol.9 「アクセプトの現場での取り組みは、平和構築研究としても非常に興味深いものです」 本多 倫彬 さん - 2018.04.30
Vol.8 「医者になることはテロと紛争の解決に直接は繋がらないけど命を大切にする点では共通しています」 窪田 有希 さん - 2018.03.31
Vol.7 「NPO法人の共同設立にあたり、アンバサダーという立場から少しでも力になりたいと思いました」 栁瀬 惠介 さん - 2018.02.27
Vol.6 「会社の社会貢献部の責任者やボランティア活動を一緒にしている仲間たちにアクセプトの話をしています」 川北 麻衣 さん - 2018.01.30
Vol.5 「初めはアクセプトの活動内容をよく理解出来ていなかったので、ほんの気持ち程度の額でスタートしました」 小笠原 絢子 さん - 2018.01.21
Vol.4 「自分が経営している飲食店のメニューやHPにアクセプトの紹介文を載せています」 中島 拓也 さん - 2017.12.30
Vol.3 「アクセプトの活動に市民をどう巻き込むかという、自分の研究に関わる点でのアドバイスをしています」 矢部 航 さん - 2017.11.28
Vol.2 「『関心を持つだけでも立派な活動』という永井さんの言葉に押され、参加させていただきました」 鶴田 桂策 さん - 2017.10.19
Vol.1 「寄付で活動をサポートすることに加えて、メンバーの皆さんに会議室の貸し出しをしています」 田村 明宏 さん