個人でできること
アンバサダー
の声

Vol.18 大塚千宙さん

「アンバサダーの声」第18弾は、東京都ご在住の、元当法人メンバーで来月から自衛隊に入隊される大塚千宙さんです。 

今回は元々ケニア事業部メンバーとして活躍し、現在はアクセプト・アンバサダーとして活動されている大塚さんへのインタビューということで楽しみにしていました。はじめに、アクセプトと出会ったきっかけを教えていただけますか?

お久しぶりです(笑)
僕は元々紛争やテロにより多くの命が失われているということに問題意識を持っていました。何か大きなきっかけがあったわけではないのですが、漠然と、でも必然的にその解決に携わることになるのだと感じていました。しかし、それを解決するために何をすればいいのかは全くわかりませんでした。なぜなら、日本のメディアで放送される情報は量が少ないだけでなく、立場を取らずに他国のニュースを後追いすしているだけなので現場で何がおきているのか全くわからなかったからです。問題解決をするには、その問題について知らなければなりません。だからまず、どうしたら紛争地の現実を知ることができるだろうか考えていました。しかし、戦場は遥か遠く、自分はまだ学生で何か技術や専門知識があるわけではなく、お金もない…。そんな時SNSで、日本で唯一紛争とテロの解決に取り組むNPOがあり、しかも学生にも活躍の場がある、ということを知ったのです。そこからメンバーになるまでの決断は早かったです。    

実際にメンバーとして活動してみていかがでしたか?

流石にまだ何もできない自分では、ソマリアはじめ紛争地のど真ん中で活動することはできませんでしたが、本当に多くのことを学ばせて頂いたと思っています。学んだことは組織として問題解決に取り組むということや理論的かつ徹底的に議論することなど多岐にわたりますが、その中でも最も大きかったのは、紛争・テロという問題に取り組む上で自分の将来の方向性や必要な心構えとがずっとクリアになったことです。
将来の方向性について言えば、僕は自衛隊に来月から入ることを決めました。メンバーを辞めたのも入隊する準備を進めるためでした。アクセプト自体は武力に頼らない紛争・テロの解決(ソフトアプローチ)を目的にした組織です。しかし、紛争・テロの解決を全体的に捉えた時、アクティブな紛争主体を止めるためには軍事的な手段(ハードアプローチ)が必要になります。これはどちらかだけでは成立しない。この両方の必要性をアクセプトにおける活動で学べたのは、テロと紛争の解決を目指して常に多角的な視点を持った組織に所属できたからだと思います。
僕は最初に書いたように、紛争で奪われる命を守りたいという問題意識と現場を自分の目で確かめてすべきことを判断したいというところを出発点としており、それは今でも変わっていません。アクセプトのソフト分野での努力を最大限にするためにも、自分はハードの分野に進むべきであるという根拠と覚悟を持つことができたのは大きかったです。
また、ケニアで実際にテロリスト予備軍ともされるギャングと「仲間」になれたのは大きな財産です。ハードの道に進むということは、必要とあらば暴力という手段で紛争・テロの解決に臨むということです。しかし、対峙する相手も一人の人間であり、生まれながらのテロリストでも紛争当事者でもない。このことを、ただの知識というだけでなく身近な存在として実感できたのは大きく、この先必ず活かされると考えています。  

「 紛争・テロという問題に取り組む上での心構え」との言葉もありましたが、これについてもう少し具体的にお伺いしてもよろしいでしょうか?  

「前例がないなら、私たちが挑戦する」との言葉がアクセプトインターナショナルのWebページにも書かれていますが、まさしくこれがアクセプトの前提となる理念だと思います。そしてこれが、僕がこの先に紛争・テロという問題に関わっていく上で最も大切にしたいこととなりました。もう少し詳しくいうと、「前例や理解がなくとも、紛争・テロの解決のためにやる必要があるのならば、妥協なく実行する」ということだと思います。  紛争・テロという問題は自分が思っていたよりもずっと複雑で、世界中がまだまだ手探り状態で解決方法を模索しているのだということ。そして、それを解決する方法を探すには常に危険が伴う。だからこそおそらく、このような覚悟がなければ何もできないのだと感じています。   

入隊に向けての準備が忙しい中でも、現在はアクセプト・アンバサダーとして、頻繁にイベントや事務所に顔を出して下さりありがとうございます。これからのアクセプト・インターナショナルに期待することがあればぜひお伺いしたいです。  

アクセプトは若い組織ですしまだまだこれから多くの壁があると思いますが、これからも「前例がないなら、私たちが挑戦する」という信念を貫いてほしいです。前例がなく、なかなか理解が得られなくても。危険でも。お金がなくとも(笑)。紛争やテロの問題は、日本も含めた国際社会が向き合わなければならない問題であり、誰かが必ず解決しなければいけない問題だと考えます。しかし、その解決には色々な困難があるため、向き合うには覚悟がいる。よって、誰もができるわではない。その中で、安全地帯に身を置くことをせず、あえてその誰かになろうとするアクセプトの志はとても尊いと思います。  

「前例を創る」という心構え、大切にしたいと改めて感じました。場所は違えど、アンバサダーという同じ同志として今後も引き続きよろしくお願い致します。最後に一言今後の抱負をいただけますか。  

おそらく日本において、テロ・紛争の解決のためにハードの道に進むという人はあまりいないと思います。ですので、そういう意味でも「前例を創る」気持ちで臨んでいきたいと思っています。ハードとソフト、テロ・紛争に対する手段は異なりますが、上に記したようにこれらはどちらも重要で、表裏一体です。アクセプトの活動では、ほとんど役に立たなかった自分ですが(笑)、これから自衛隊で経験を積み、自分の役割を果たせるように頑張ります。また、大きな意味ではテロ・紛争の解決に対して分業するとも言えると思うので、これからも一緒に進んでいく気持ちでいます。     


メンバーとして活躍され、これから自衛隊に入隊される大塚さん。紛争やテロに関する問題意識を常に持ち、現場で活躍し続けようとされる姿勢には強い覚悟と勇気を感じます。私も学生メンバーとして広報局で活動していますが、学生の自分でも貢献したい、という気持ちが私を突き動かします。大塚さんには、「前例を創る」べく挑戦を続ける当法人のこれからを見守っていただくとともに自衛隊での飛躍を願います。