Vol.66 村瀬 貞律 さん
私たちの活動を継続的に支えていただいているアクセプト・アンバサダーの声を紹介する本コーナー。
「アンバサダーの声」第66弾は、家業を継いだことを転機に地元の町づくりに貢献されている村瀬貞律(むらせ さだのり)さんです。

村瀬さん、インタビューへのご協力ありがとうございます!まずは、バックグラウンドやご経歴を簡単に教えてください。
私の大学時代はまさにバブル絶頂期。地方銀行で16年間、財務省財務局で3年間と、少しお堅い仕事で勤労人生の前半を過ごしてきました。
転機となったのは家業を継いだ時です。時間の自由が利くようになり、子どもたちの成長に合わせて地元の小・中学校ではPTAを、地域では消防団や保護司などに関わってきました。
現在は、子どもたちの成長過程でお世話になった地元地域へ少しずつ恩返しをしているところです。
話は少し変わりますが、長男が小1から野球を始めて中学・高校・大学と続けたことから、各年代の顧問の先生方や保護者の父母には大変お世話になりました。野球に携わっている素晴らしい方々と出逢えたことは私の大きな財産となっています。

▲地域で保護司として活動する村瀬様
様々なご経験を積まれた村瀬さんが、アンバサダーにご就任いただいたきっかけは何だったのでしょうか?
きっかけはなんといっても、2023年2月12日(日)23時(MBS/TBS系列)に放送されたドキュメンタリー番組「情熱大陸」を偶然視聴したからです。私が普段関わっている児童虐待問題や、更生保護活動、防火・防災活動、青少年健全育成、地域の安全安心な町づくりなどとは全く違う次元・フィールドで戦っている画面の中の永井陽右という男に魅了されました。
もちろん微力な私にとって最優先すべきは地元地域への恩返しですが、余力としてほんの少しでもアクセプト・インターナショナルの支えになりたいと思い、はじめの一歩として寄付を申し込んで現在に至ります。
大切なのは行動すること。
自らの一歩は小さなものかもしれませんが、それが10人、100人、1,000人と集まれば、ずっと大きなチカラになるということを、今までの人生で学んできました。

▲ご家族といっしょに野球観戦
TV番組『情熱大陸』で「永井陽右という男に魅了された」とのことですが、村瀬さんご自身のフィールド、地元地域での活動や情熱についても、ぜひ教えてください!
保護司として更生保護活動に10年携わっています。
犯罪や非行をした人の再犯を防ぎ、非行をなくし、立ち直りを助けるとともに、地域の犯罪・非行の予防を図る保護司活動は、アクセプト・インターナショナルが提唱している「憎しみの連鎖をほどく」と、本質的に同じ方向性のものであると確信しています。
大げさに思われるかもしれないのですが、保護観察の対象者に対しての接し方が、アクセプトを知り、アンバサダーになってから変わりました。現在の境遇への不平不満などを粗暴で短絡的な表現をする対象者たちへ、テロや武力紛争・難民問題や飢餓、子どもや女性の人権侵害と、それに対しての憎しみの連鎖をほどく努力と行動、などの話をすると、みな一様に少し立ち止まって考えてくれるようになりました。今まで気が付かなかったけれど、ひょっとして自分たちは恵まれているんじゃないかと。
広く大きな俯瞰的な視点で考えを巡らせてくれる機会が増えたことから、対象者本人の考え方も幅や揺れの許容度が増したというか、現実的な物事を少しずつ受け入れてくれることが多くなってきたと実感しています。

▲母校創立100周年の記念祭にて
地域・社会、人との触れ合いのなかで“憎しみの連鎖をほどく”実践をされていること、またその手ごたえもお聞かせいただき、大変勉強になりました。
以前、アクセプト・インターナショナルの活動にもご協力いただいたと聞いています。
2024年9月22日(日)、愛知県東海市の太田川駅大屋根広場で行われた「第6回スポーツ・アートSDGsフェスティバル 東海」に、アクセプト・インターナショナルが出展し、アンバサダーとして初めて活動に参加しました。この出展の主な目的は、アクセプトの中部圏での今後の活動の足掛かりとして、来場者の方々へ活動の説明やPRを行うことでした。
アクセプトの山﨑さんや江口さんと、今回参加された愛知県内在住アンバサダー3名の計5名が活動に参加しました。当日は9月でもまだまだ蒸し暑い日でした。
イベント開始前に、アクセプトのTシャツとパーカーを購入させていただきました。(当日含めて今後、活動に携わる際に自分のユニフォームとして着用しようと考えていたので。)
私は夏の時期は速乾性素材のTシャツを着ているので、アクセプトのTシャツも速乾性の高機能なものにしてみては?と軽い気持ちで山﨑さんに提案しました。山﨑さんは、アクセプトTシャツは国内向けも海外向けも同じ仕様で共通であることと、綿100%の理由を教えてくれました。いかに自分が平和な世界に生きているかを実感し、同時にテロや武力紛争の影響を受ける現場で活動しているアクセプトの皆さんに改めて敬意を覚えました。
もし、アクセプトTシャツが綿100%の理由を知りたい方がいたら、ぜひメンバーやアンバサダーに聞いてみてくださいね。

▲愛知県でのイベントの様子
暑い中、イベントにご参加くださりありがとうございました。Tシャツも愛用いただき、うれしいです。
それでは最後に、読者の皆様に向けてメッセージをお願いします!
たまたま私は日本に生まれ、育ち、今ここに存在しています。そのことについて、今まで深く考えたことはありませんでした。もしソマリアやイエメン、アフガニスタンに生まれていたら。。。
世界のどこに生まれても、一人一人が希望を持ち、誰しもが自らの可能性を発揮して平和の担い手となることができる世界を作りたい。
理想論かもしれません。けれども、心の中で思うだけでは何も起きないし、何も動かない。
再掲になりますが、大切なのは行動すること、だと思っています。
さぁ、一緒に一歩、前へ踏み出してみませんか!!
村瀬様の行動されるお姿と、その原点にある「恩返し」のお心に感動しました。
私にとってアクセプトでの初めての取材で緊張しましたが、今回教えていただいた”出逢いが財産”の言葉を胸にがんばります。どうぞ、よろしくお願いいたします。
インタビュー担当:田中基予美
【読者の皆様へ】
政府の意向に左右されない私たち独自の活動は、毎月1,500円から活動にご参加いただける「アクセプト・アンバサダー」をはじめとした皆様からのご支援があってこそ成り立っています。
皆様とともに、この日本から挑戦していくことができれば大変幸甚です。
アンバサダーの声
- 2025.02.23
Vol.66「アンバサダーになってから、保護司として対象者への接し方が変わりました」 村瀬 貞律さん - 2024.07.24
Vol.65「加害者にも目を向けようとするアクセプトの理念は、他にはない唯一無二のもの」太田 貴也 さん - 2024.03.29
Vol.64「自分の正しさを押し付けて生活してきたかもしれないと反省」辻 芙実子 さん - 2024.03.27
Vol.63「これは無理だろうという限界は自分が決めてしまっている」城田 則子 さん - 2024.03.11
Vol.62「大きな成果に向けた積み重ねの一部に自分がなる」ナロック 悠耶 さん - 2024.03.02
Vol.61「世界はどう変わるのか、私が生きている間に見ることができればうれしいです」鈴木 幸恵 さん - 2024.02.13
Vol.60「活動に賛同している意思表示としてアンバサダーを続けています」倉持 光代 さん - 2024.02.11
Vol.59「一度何かのイベントに参加してみると自分なりの関わり方を見つけられるのではないかと思います」近藤 英一郎 さん - 2024.02.04
Vol.58「寄付をさせていただいていると思っています」中村 千絵 さん - 2024.02.04
Vol.57「自分にはできないからと諦めるのではなく、時処位に応じて協力できることを考えていけたらいいなと思っています」榊原 美紀 さん - 2024.01.27
Vol.56「無理だと決めつけずにやってみること。この事を実現している団体に、私の考え方も大きく影響を受けました」鈴村 修 さん - 2023.12.17
Vol.55「『少し応援してみよっかな』くらいの気軽さでアンバサダーをはじめてみる人が増えてくれればいいな 」南條 佑太 さん - 2023.06.25
Vol.53 「1人の力では解決できなくても、同じ思いを持つ人たちが集まると、いつかきっと大きな力になると信じて」 中尾 千恵子 さん - 2023.05.23
Vol.52「私自身も『対話』を探求していくために、アンバサダーとして関わることで学ばさせていただいています」高橋 淳さん - 2023.04.06
Vol.51 「永井さんとアクセプトが創る未来を私は見てみたい。できたらそこに、私も参加していたい」 福田 広恵 さん - 2023.03.19
Vol.50 「アクセプトのアンバサダーでいることが誇り」 桐林 千登勢 さん - 2023.01.29
Vol.49 「永井代表の『僕らはソマリアギャングと夢を語る』を読んだのがきっかけです」 前田 関羽 さん - 2022.09.17
Vol.48 「大きな事象であるからこそ、一人ひとりに目を向けて、必要なことを一つ一つ考えていく」 沖村 里咲 さん - 2022.07.31
Vol.47 「子どもに『戦争がなくならないのは仕方ない』とは言いたくない」 矢野 俊樹 さん - 2022.07.31
Vol.46 「アンバサダーになってみて支援を『継続する』ことの大切さを改めて感じている」 成澤 里恵 さん - 2022.06.12
Vol.45 「小学校時代にアメリカの同時多発テロを体験して以来、長い間モヤモヤした気持ちを抱え続けていました」 小出 彩音 さん - 2022.06.06
Vol.44 「何かできる時は手伝いたいし、何もできない時でも支援したい」 加藤 祥晃 さん - 2022.06.02
Vol.43 「『今なお聴かれていない、語られていない声は、どのようなものか』とより考えるようになりました」 小針 美紀 さん - 2022.05.22
Vol.42 「アンバサダーとして、アクセプトの中にいる人たちの信念や生き様のようなものを伝えていきたい」 浦野 真理 さん - 2022.04.17
Vol.41 「テロリストも同じ人間、必要なことをやる、という非常にフラットながら革新的な行動姿勢に惹かれて」 田頭 風子 さん - 2021.10.31
Vol.40 「自分のシステム開発の経験を活かして、IT面を中心にサポートをしてきました」 安達 知仁 さん - 2021.06.30
Vol.39 「『私でも出来る、否、私だからこそ出来ることがありそう』と思えたのはアクセプトだけでした」 賀来 沙樹子 さん - 2021.05.16
Vol.38 「アンバサダーになったのは、他国の若者の未来へつなげることができると思ったからです」 小川 利久 さん - 2021.04.10
Vol.37 「テロや紛争解決といった難しい課題は、大きな機関のみが対応できるものだと勝手に思い込んでいました」 坂本 眞一郎 さん - 2021.02.20
Vol.36 「前例が無い中で難しい課題に自分と同じもしくは若い世代の方が懸命に取り組んでいる姿勢に感銘を受けた」 中野 響子 さん - 2021.01.22
Vol.35 「テロと紛争による被害も、『機会損失』が発生していると私は捉えています」 小川 隆弘 さん - 2020.12.20
Vol.34 「世界中の人々が、自身の未来の可能性を広げる、『教育』や『学び』を受けられる機会を持って欲しい」 鈴木 悠甫 さん - 2020.11.18
Vol.33 「海外ならではのエピソードをアクセプトの皆さんと懇親会などで共有できることが楽しい」 篠原 祥 さん - 2020.10.14
Vol.32 「もっと日本人にも『テロリズム』を身近な問題として認識してもらうことが必要」 福嶋 浩嗣 さん - 2020.09.09
Vol.31 「『受け入れる』という価値観・アプローチをここまで実践に落とされている団体は、唯一無二なのかな」 八名 恵理子 さん - 2020.08.12
Vol.30 「最初にプレゼンを聴いた時、どういう形であれ応援したい、活動に貢献したいと心底思う何かがありました」 益田 大輔 さん - 2020.07.15
Vol.29 「テロリストや過激な思想を持った人を、かつては『加害者』として私は一面的にしか見ていませんでした」 猪熊 風友乃 さん - 2020.06.10
Vol.28 「元テロリストに対するイメージの変化をもっと多くの高校生たちに体験してもらいたい」 金田 和大 さん - 2020.05.06
Vol.27 「この活動が拡がったら国際協力の世界が大きく変わるのではないか。そんな気がして応援を始めました」 福西 浩樹 さん - 2020.04.10
Vol.26 「アンバサダー限定イベントに参加し活動内容を知ることができて、新たな知識も身についた」 芥川 駿太郎 さん - 2020.02.01
Vol.25 「アクセプトを通して、テロや紛争の問題についてまずは『知る』ことで新しい世界との接点が増えました」 ロミ さん - 2019.12.23
Vol.24 「アンバサダーになってみて、実際に横のつながりが生まれていることがいいな、と感じた」 中構 優花 さん - 2019.11.04
Vol.23 「団体のお手伝いがしたいという思いと同じくらい『自分のため』という感覚も強いかもしれません」 臼田 輝生 さん - 2019.07.30
Vol.21 「メンバーと近い距離で交流することに、自分自身刺激をもらってます」 宮崎 貴博 さん - 2019.06.14
Vol.20 「団体の成長を近くで感じられることが感慨深かったです」 岡本 明訓 さん - 2019.05.07
Vol.19 「既成概念や枠組みに囚われず、新たな時代を切り拓くために必要な反骨精神や気概があるのを感じます」 杉浦 かおり さん - 2019.03.30
Vol.18 「紛争で奪われる命を守りたい、現場を自分の目で確かめてすべきことを判断したい」 大塚 千宙 さん - 2019.02.15
Vol.17 「アンバサダーになってから、紛争関連のニュースがより目に止まるようになりました」 二茅 理穂子 さん - 2019.01.16
Vol.16 「アクセプトには、企業の発想を転換させる大きな役割があると思います」 篠原 雄之 さん - 2018.12.18
Vol.15 「ソマリアやケニア、インドネシアなどのアクセプトの活動地におけるテロと紛争の現状を知れた」 渋谷 和彦 さん - 2018.11.29
Vol.14 「悲しみを終え平和と幸せに向かう旅路を支える」 生田 チサト さん - 2018.10.31
Vol.13 「他のアンバサダーの方々とも交流する機会があることが面白いと思っています」 齋藤 悠太 さん - 2018.09.30
Vol.12 「開院したクリニックに西真岡アクセプト・インターナショナルクリニックと命名させて頂きました」 眞塩 一樹 さん - 2018.07.31
Vol.11 「メンバーの方々も、アンバサダーは身内だと言ってくれます」 三浦 紗織 さん - 2018.06.30
Vol.10 「今後は県内の教育機関にリーチできる講演やイベントの場を作れればと思います」 北添 春菜 さん - 2018.05.31
Vol.9 「アクセプトの現場での取り組みは、平和構築研究としても非常に興味深いものです」 本多 倫彬 さん - 2018.04.30
Vol.8 「医者になることはテロと紛争の解決に直接は繋がらないけど命を大切にする点では共通しています」 窪田 有希 さん - 2018.03.31
Vol.7 「NPO法人の共同設立にあたり、アンバサダーという立場から少しでも力になりたいと思いました」 栁瀬 惠介 さん - 2018.02.27
Vol.6 「会社の社会貢献部の責任者やボランティア活動を一緒にしている仲間たちにアクセプトの話をしています」 川北 麻衣 さん - 2018.01.30
Vol.5 「初めはアクセプトの活動内容をよく理解出来ていなかったので、ほんの気持ち程度の額でスタートしました」 小笠原 絢子 さん - 2018.01.21
Vol.4 「自分が経営している飲食店のメニューやHPにアクセプトの紹介文を載せています」 中島 拓也 さん - 2017.12.30
Vol.3 「アクセプトの活動に市民をどう巻き込むかという、自分の研究に関わる点でのアドバイスをしています」 矢部 航 さん - 2017.11.28
Vol.2 「『関心を持つだけでも立派な活動』という永井さんの言葉に押され、参加させていただきました」 鶴田 桂策 さん - 2017.10.19
Vol.1 「寄付で活動をサポートすることに加えて、メンバーの皆さんに会議室の貸し出しをしています」 田村 明宏 さん