Vol.30 益田 大輔さん
「アンバサダーの声」第30弾は、岐阜県高山市にて精神科医をされている益田大輔さんです。アクセプト・インターナショナルの理念につきまして、ご自身の専門領域を交えながらお話しいただきました。
益田さん:まず皆さん、元気ですか?!精神的に!
インタビュアー:元気です!ありがとうございます!
まず、アンバサダーになったきっかけはなんでしたか?
2018年9月に高山で平和の日なるイベントがあり、1週間前の市長選に出馬していた事情で小生もイベントに呼ばれておりました。
その時、パネラーとして登壇していたのが永井さんで、そこからのご縁です。ソマリアでの活動のプレゼンは鮮烈で、やるべきことから組み立てる行動様式や、紛争・テロの怨嗟のループを、対話を用いて脱過激化・社会復帰に昇華させるスタイルにひどく感銘したことを憶えています。
その後、その場で意気投合し、高山の古い町並み上二之町の恵比寿でおろし蕎麦を食べて以来、交流があります。2019年のグロ―バルフェスタに表敬訪問した際、アンバサダーのリーフレットを配る手伝いをしたあと、アンバサダーになりました。
ありがとうございます。実際にアンバサダーになってみていかがでしょうか?
まだアンバサダーになったばかりであり、アンバサダーとしての活動はこれからなのですが、グロ―バルフェスタの後、事務局長より「退屈させない自信があります!」とプッシュを受け、当時「暇と退屈の倫理学」という本にはまっていたことも幸いし、それならば、とアンバサダーになりました。
人間は歴史上、とかく暇と退屈に弱いので、「熱くなる何か」を求める習性があるのでしょう。なお、直感ですが、退屈しない自信もあります。
なるほど、ありがとうございます。それでは、アクセプトをアクセプトたらしめているのはなんだと思われますか?
「受容」という言葉は素敵ですね。
精神医療においても、傾聴の3要素は「受容」・共感・関心であり、ターミナルケア・エンドオブライフケアの基本姿勢も、先ずは相手を「受容」することです。
スポーツコーチングなどのPEPTALKの4要素も「受容」・承認・行動・激励であり、存在を受け止める・受け入れるということがあらゆる課題解決に共通する基本なのだと思います。
これからのアクセプトに求めるものは何でしょうか?
学習する組織であり続けることでしょうか。アクセプト・インターナショナルは世界の脱過激化のトップランナーですので、歩みを止めず、組織単位で学習し、進化し、成果を上げて下さい。
最初にプレゼンを聴いた時、どういう形であれ応援したい、活動に貢献したいと心底思う何かがありました。活動は長期戦なので、持続性の担保が肝でしょう。
自立とは、ある意味、依存先を増やすことですので、アンバサダーに限らず活動の同志が増え、拡散していく、アクセプト・インターナショナルの理念やビジョンが日常化していくと素敵ですね。
最後に一言、何かメッセージをお願いします!
どの分野においても組織の課題の答えは、組織の外にあると言われています。
アンバサダーとして活動する中でいろいろな立場の方と出会えることは成長や学習の機会であり、わくわくしています。
紛争解決・脱過激化・社会復帰というキーワードは、精神医療の日常と重なります。家庭や職場での紛争で疲弊し、病院を訪れた時、社会から「患者」というレッテルが貼られ、表出するいろいろな症状やリストカット、過量服薬、食行動異常などの乱れは、ある意味、紛争による過激化といえるのかもしれません。
社会との関係性による疲弊に耳を傾け、まずはその人の存在を受け入れて、症状の緩和=脱過激化、平和な日常を目指し、社会復帰に繋げていけるような精神科医になれるよう日々精進したいと思う今日この頃です。
益田様、この度は貴重なお時間、誠に有難うございました。
お話しいただいた「症状の緩和=脱過激化」の部分、メンバーとして大変感銘を受けました。今後とも、どうぞよろしくお願い致します。
アンバサダーの声
- 2024.07.24
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Vol.3 「アクセプトの活動に市民をどう巻き込むかという、自分の研究に関わる点でのアドバイスをしています」 矢部 航 さん - 2017.11.28
Vol.2 「『関心を持つだけでも立派な活動』という永井さんの言葉に押され、参加させていただきました」 鶴田 桂策 さん - 2017.10.19
Vol.1 「寄付で活動をサポートすることに加えて、メンバーの皆さんに会議室の貸し出しをしています」 田村 明宏 さん