Vol.38 小川 利久さん
「アンバサダーの声」第38弾は、介護経営コンサルタント、オンライン活用型エイジングと介護の学校運営をされている小川利久さんです。
こんにちは。まずはバックグラウンドやご経歴を簡単に教えてください!
新渡戸稲造の祖父・新戸部傳(にとべ・つとう)が開拓した三本木原台地の青森県十和田市出身です。「開拓魂」の精神の影響を強く受け、まだ誰もが興味を抱かない段階から常に新しい物事へトライしてきました。
新潟大学農学部林学科を卒業し、卒業論文は森林計測学教室選考し北海道のトドマツ人工林の森林計画について論じました。
1989年に国が高齢者福祉推進10ヵ年戦略(通称:ゴールドプラン)を発表してから、介護の仕事に30年以上従事し、シニアビジネスや有料老人ホーム幕開けの第一世代を担ってきました。まずは老人ホーム施設長を10年、介護経営コンサルタントを7年務め、介護の学校運営に6ヶ月携わりました。
全室個室ユニット型特別養護老人ホームの創設期、難関の公募に採択された認知症高齢者グループホームの施設長を務めました。非薬物療法認知症ケアや看取りケアを体系化することや、特出した収支差額を計上することに尽力し、国内外から見学が殺到しました。
その後、東北大学スマート・エイジング・カレッジ東京事務局長を5年、そして大学の生命科学の基礎研究と企業の健康寿命延伸ビジネスの産学連携担当を務めました。
現在は老人ホームの経営コンサルタントから親の介護選びをサポートするオンライン活用型エイジングと介護の学校エイジング・サポート・アカデミーを運営し、さらに老人ホーム施設長養成講座も行っています。このような活動をする中で、2013年にはAgeing Asia Innovation Forum2013(シンガポール開催)にて認知症、看取りケアを紹介し、メジャーアワードを受賞しました。
また上記の活動に加えて、ブータンやフィリピンなどの東南アジア諸国からの外国人介護人材の受け入れ支援機関も設立しました。日本から海外へ「循環する介護」をテーマに、「介護のオンライン化」に着手しています。海外で日本の介護についての説明会を開催し、日本の介護を世界へ広げる活動を行なっています。介護情報をYouTubeや定期ライブで配信するなどしています。
ありがとうございます。アクセプト・アンバサダーになっていただいた一番のきっかけは何でしたか?
高齢者の生活支援・介護の仕事を通してその収益の一部をもっと困っている人の支援につなげたい、そしてそれによって高齢者のいのちを生かし、他国の若者の未来へつなげることができると思ったからです。
高齢期に体が不自由になり、認知症や介護が必要になってもまだ高齢者に生きる上での役割があるということ、今日を生きて介護を受けることでも遠い国の若者の人生を支えているという意識と事実を作り上げることを目標に活動しています。
何歳になっても、体が不自由になっても役割があるということを知ってもらいたい。
これを知ることにより、最後の瞬間まで目的を持ちながら人生を一生懸命生きることができると思っています。
今まで自分とは関係ないと思っていた遠い国とつながることによって、高齢者の生きる意欲を萎えさせずに介護を行う体制ができると信じています。
また、今後は日本の超高齢社会を支えるスローガンになると考えています。
一番に考えていらっしゃる社会課題を教えて頂いてもよろしいでしょうか?
人々が「老い」に対してネガティブなイメージを持っていることです。
若い時にできたことができなくなることや、定年退職して役割を失ってしまうなどの「喪失感」を乗り越え、これまで生きてきた自分の経験を他者に伝える使命感と「高齢期の覚悟」を持てる社会のシステムづくりが必要だと思います。
若い人が憧れる「エイジング・モデル」があれば、日本の超高齢社会は確実に明るくなり、高齢者が笑顔になって最後まで生きることのできる社会が構築されると考えています。
これからのアクセプトに求めるものはなんでしょうか?
日本の社会課題とソマリアなどの社会課題の関係性をもっともっとアピールすることです。
単に課題の多い国や困っている人を支えるということだけではなく、それが日本のためになるということと、そのリーディングケースを作り上げてほしいと期待しています。
支える側、それを与えてもらう側が対等であるということ。未来を与えてもらった人たちが、与える側に回るということ。このような「支え合いの循環」を創っていって欲しいです。
社会復帰した元テロリストたちが日本の高齢者の役に立つ、そんな関係性づくりの機会創出と事例を紹介してほしいと思います。
最後に一言、何かメッセージをお願いします!
あなたができることの一つをソマリアへプレゼントしてみませんか?
「関係性はない」と思われるかもしれません。
しかし、関係性はあなたの「意志」によって作り上げられていきます。
きっかけは「アクセプト・インターナショナル」が提供してくれます。
あなたが与えたものがいずれはあなたのもとへ返ってきます。
モノやお金ではないかもしれません。
しかし、あなたが確実にこの時代を生きているという証を感じることができること。
素晴らしいギフトだと思いませんか?
そう、この記事を読んだ瞬間から、もうすでにつながっています。
「支え合いの循環」を生み出し、あなたの人生を豊かにしてくれます。
小川さん、この度はご協力誠にありがとうございました。
小川さんが携わっている介護と若者の橋渡しをするためにも、当法人が目標としている紛争やテロのない世界を実現するためにも、「支え合いの循環」はとても大切にするべき共通点だと思います。これからもより多くの「支え合いの循環」を生み出すために努力を続けたいと思います。
アンバサダーの声
- 2024.07.24
Vol.65「加害者にも目を向けようとするアクセプトの理念は、他にはない唯一無二のもの」太田 貴也 さん - 2024.03.29
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Vol.58「寄付をさせていただいていると思っています」中村 千絵 さん - 2024.02.04
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Vol.50 「アクセプトのアンバサダーでいることが誇り」 桐林 千登勢 さん - 2023.01.29
Vol.49 「永井代表の『僕らはソマリアギャングと夢を語る』を読んだのがきっかけです」 前田 関羽 さん - 2022.09.17
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Vol.33 「海外ならではのエピソードをアクセプトの皆さんと懇親会などで共有できることが楽しい」 篠原 祥 さん - 2020.10.14
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Vol.27 「この活動が拡がったら国際協力の世界が大きく変わるのではないか。そんな気がして応援を始めました」 福西 浩樹 さん - 2020.04.10
Vol.26 「アンバサダー限定イベントに参加し活動内容を知ることができて、新たな知識も身についた」 芥川 駿太郎 さん - 2020.02.01
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Vol.20 「団体の成長を近くで感じられることが感慨深かったです」 岡本 明訓 さん - 2019.05.07
Vol.19 「既成概念や枠組みに囚われず、新たな時代を切り拓くために必要な反骨精神や気概があるのを感じます」 杉浦 かおり さん - 2019.03.30
Vol.18 「紛争で奪われる命を守りたい、現場を自分の目で確かめてすべきことを判断したい」 大塚 千宙 さん - 2019.02.15
Vol.17 「アンバサダーになってから、紛争関連のニュースがより目に止まるようになりました」 二茅 理穂子 さん - 2019.01.16
Vol.16 「アクセプトには、企業の発想を転換させる大きな役割があると思います」 篠原 雄之 さん - 2018.12.18
Vol.15 「ソマリアやケニア、インドネシアなどのアクセプトの活動地におけるテロと紛争の現状を知れた」 渋谷 和彦 さん - 2018.11.29
Vol.14 「悲しみを終え平和と幸せに向かう旅路を支える」 生田 チサト さん - 2018.10.31
Vol.13 「他のアンバサダーの方々とも交流する機会があることが面白いと思っています」 齋藤 悠太 さん - 2018.09.30
Vol.12 「開院したクリニックに西真岡アクセプト・インターナショナルクリニックと命名させて頂きました」 眞塩 一樹 さん - 2018.07.31
Vol.11 「メンバーの方々も、アンバサダーは身内だと言ってくれます」 三浦 紗織 さん - 2018.06.30
Vol.10 「今後は県内の教育機関にリーチできる講演やイベントの場を作れればと思います」 北添 春菜 さん - 2018.05.31
Vol.9 「アクセプトの現場での取り組みは、平和構築研究としても非常に興味深いものです」 本多 倫彬 さん - 2018.04.30
Vol.8 「医者になることはテロと紛争の解決に直接は繋がらないけど命を大切にする点では共通しています」 窪田 有希 さん - 2018.03.31
Vol.7 「NPO法人の共同設立にあたり、アンバサダーという立場から少しでも力になりたいと思いました」 栁瀬 惠介 さん - 2018.02.27
Vol.6 「会社の社会貢献部の責任者やボランティア活動を一緒にしている仲間たちにアクセプトの話をしています」 川北 麻衣 さん - 2018.01.30
Vol.5 「初めはアクセプトの活動内容をよく理解出来ていなかったので、ほんの気持ち程度の額でスタートしました」 小笠原 絢子 さん - 2018.01.21
Vol.4 「自分が経営している飲食店のメニューやHPにアクセプトの紹介文を載せています」 中島 拓也 さん - 2017.12.30
Vol.3 「アクセプトの活動に市民をどう巻き込むかという、自分の研究に関わる点でのアドバイスをしています」 矢部 航 さん - 2017.11.28
Vol.2 「『関心を持つだけでも立派な活動』という永井さんの言葉に押され、参加させていただきました」 鶴田 桂策 さん - 2017.10.19
Vol.1 「寄付で活動をサポートすることに加えて、メンバーの皆さんに会議室の貸し出しをしています」 田村 明宏 さん