個人でできること
アンバサダー
の声

Vol.61 鈴木 幸恵 さん

2024年3月2日


私たちの活動を継続的に支えていただいているアクセプト・アンバサダーの声を紹介する本コーナー。

「アンバサダーの声」第61弾は、現在中学校教師をされている、鈴木 幸恵(すずき ゆきえ)さんです。


鈴木さん、インタビューへのご協力ありがとうございます!まずは、バックグラウンドやご経歴を簡単に教えてください。

現在中学校教師をしています。もともとは日本語教師でした。大学での専攻は日本語。学生時代から日本と海外の架け橋になりたいと考えていました。日本語教師という仕事を通して海外の方々と接したことで自分の視野がグローバルに広がったと思います。日本での常識は海外では当たり前ではないこと、生活、文化、習慣など異なることを受け入れるのは、始めの頃は驚きの連続でした。次第に、自分が「日本」について、また「世界」について、何も知らないことを実感するようになりました。

その後、結婚・出産。子育て中に「海外の生徒」よりも、まずは日本の中の常識をグローバル化することの方が先、と考え、中学校教師を目指すことになります。


日本の常識のグローバル化、とても興味深いです。

では、鈴木さんがアンバサダーにご就任いただいた経緯やきっかけについても教えていただけますか?

正直なところ、娘の影響です。それまで永井さんのことも全く知りませんでした。娘からアクセプトインターナショナルの活動内容を聞いて、当初は「なぜ日本の若者がソマリアへ?しかも危険では?」という感じでした。たまたまそのときに永井さんが出演したテレビドキュメンタリーを観て、娘から聞いていた話と、映像として理解した永井さんの活動がようやく一致しました。それでも半ば、「永井さんって方は、おそらく本当はタレントか何かの職業の傍らでボランティアをなさっているの?大変ねぇ~」。くらいに勘違いしていました(すみません)。どこか、他人事、ソマリア?あまりに遠くて、現実味が湧いてきませんでした。それが本音です。

その一方で、仕事柄、生徒たちを前に、「平和のために私たちができることは何があると思う?」と一緒に考える機会が多々あります。自分の中に明確な答えも持っていないことに違和感を覚えつつ、生徒たちの考えにうなずかされることがあります。生徒たちは必死になって「平和のために自分たちができること」を純粋に探し求め、考えを絞り出していきます。そんなとき、永井さんの顔が浮かび、日本の若者が、実際に行動を起こしているではないかと、今目の前にいる生徒たちの未来の姿に永井さんを重ねるようになりました。

「私たちは、平和を願う権利がある」。生徒の発した言葉にハンマーで頭を殴られたような気がしました。すると別の生徒が「願うだけじゃダメだよ。アクションを起こさなきゃ!」と。その通りです。そこで微弱ながらもアンバサダーとして協力することにしました。

月々の金額は小さいですが、気分は投資家ですね。永井さんの活動に投資をすることで、リターンとして一人の青年が助かってくれたらそれでいい。そう思っています。

▲ニューヨークにて娘さんとそのご友人とのひと時


気分は投資家…そんな風に思っていただき身の引き締まる思いです。

寄付(という名の投資)をしてくださる中で、アクセプトに求めることは何かありますか?

特に新しく求めるものはありませんが、教育機関へのアプローチをかけていただきたいなぁと考えます。日本人の価値観を世界規模に修正していくためには、大人になってからよりも子供たちへの正しい知識の導入が必要だと考えるからです。

ほぼ生活に困窮しない、治安のよい日本にいて、「ソマリア」での出来事は、他山の石でしかありませんし、またアンバサダー依頼をかけても何のために?お金の流れは?と疑心暗鬼になる方も多いのが現実ではないでしょうか。ユニセフと何が違うの?と問われたときに、「永井さん」を知っていただくことは、重要な鍵だと考えます。


疑心暗鬼に思われる中でどうすべきか。私自身、答えを探っているところです。

鈴木さんは代表・永井について知ることが鍵だとおっしゃられていますが、彼に関して何か思うことはあるでしょうか?

もっと有名になってほしいと思います(アクセプトインターナショナルがさらに成長してほしいから)。あと、命と健康だけは手を抜かないでほしいです(母目線です)。

仮に、自分の息子が永井さんだとしたら・・・と勝手に想像してみました。 間違いなく、親として腹をくくるでしょうね。「何もあなたがやらなくてもよいのに・・・」と言ってしまうと思います。そして、息子の決断を、断腸の思いで応援することでしょう(ううん、どうかな)。

世界の平和は願うけれど、自分の家族がたずさわるのは別問題?この考え方自体が、平和ボケした日本人なのだと自分で深く自覚します。

「永井さんを知る」ことは、こうした日本人的な矛盾した平和論と自分自身が向き合わされます。これが、私が永井さんについて感じることです(それだけでも大きな意義があります)。


私も永井を知ってから平和な世界を作るにはどうしたらいいのかをより考え始め、自分自身がどうそこに貢献できるかを常に自問自答しています。

それでは最後に、読者の皆様に向けて何かメッセージをお願いします!

Youtubeを見ていたら勝手に9.11アメリカ同時多発テロの映像が流れてきました。たまたまこの夏、ニューヨークを旅していたばかりでしたので、自分が歩いたあの場所で、あの事件が起きたと思うとなんとも言葉にならない感情がわいてきました。

映像では、飛行機が突入するシーンに驚く人々の怒りや動揺、助けを求める人々や救助に当たる人々の喧騒。救助を待ち、崩壊しかけたビルから救助を信じて手を振る人々の映像、そして、ビルの崩壊と逃げ惑う人々。胸をえぐられるような思いがしました。「なぜ」「どうしてこんなことを・・・」「理由は?」

それもこれも「テロ」が原因。心の底から「二度とこのようなことがあってはならない」と願いました。それと同時に「誰がこれを止められるのだろう」とも。決して簡単なことではありません。簡単ではないから、政府も国も慎重になるのです。そう考えたとき、永井さんの活動は間違いなくその一端を担っている活動の一つだといえます。

世の中には、「いじられる」と都合が悪いことがたくさんあります。永井さんの活動は、誰もが踏み込もうとしない分野に、知恵と勇気をもって「いじる」ことで、確実に「テロ」活動に圧力をかけています。アンバサダーとして私一人の力はとても小さいですが、一人でも多くの人が「テロをいじる」活動に加担したとき、世界はどう変わるのか、私が生きている間に見ることができればうれしいです。


この度はインタビューのお時間をいただきありがとうございました!鈴木さんの熱い思いを聞くことができ、とても有意義な回になったかと思います。

今後も、私たちとともに誰しもが平和の担い手となれる世界の実現に向けて歩んでいただけたら幸いです。


インタビュー担当:南部壮太郎


【読者の皆様へ】
政府の意向に左右されない私たち独自の活動は、毎月1,500円から活動にご参加いただける「アクセプト・アンバサダー」をはじめとした皆様からのご支援があってこそ成り立っています。

皆様とともに、憎しみの連鎖をほどいていくことができれば大変幸甚です。

アンバサダーの声