Vol.9 本多 倫彬さん
「アンバサダーの声」第9弾は、東京都在住でシンクタンクの研究員でありながら大学の非常勤講師も務める本多倫彬さんです。
アンバサダーになったきっかけは何ですか?
私は研究者として平和構築分野の国際協力政策の研究をしているため、平和構築とは何なのか、どのように実行されるのが良いのか、などを日々考えています。その際、アクセプト・インターナショナルの代表である永井さんがよく脳裏に浮かびます。
それは、偶然手に取った『僕らはソマリアギャングと夢を語る』の中で出てきた「どんなに危険で困難であったとしても、一番ニーズがあるところに取り組まないでどうするのか」という永井さんのソマリアへの関わり方・考え方が、強く印象に残ったからです。また、平和構築の中身という点でも、ソマリア人ギャングたち自らが小学校で「自分たちのようになるな」と小学生たちに話すという場面は非常に衝撃的で今でもよく覚えています。
本を読んだ後、2017年に偶然、永井さんと研究会でお会いした際に、それを踏まえて色々とお話をしました。その際に永井さんから日本ソマリア青年機構はアクセプト・インターナショナルになるという話を伺って、是非アクセプト・インターナショナルに寄付をしたいと思いました。アクセプト・インターナショナルの異常なまでのニーズ主義に強く惹かれました。
その年に気になった活動に対して寄付するということを毎年続けてきており、アクセプト・インターナショナルへの寄付もその一環のつもりでした。ただ、継続的な形の支援の方が単発の寄付よりも団体のニーズとしてあることを考えると、ニーズ主義を掲げる団体に関わる以上、せめてそこは乗らざるを得ないな…と思い、アクセプト・アンバサダーになりました(笑)
研究者である本多様にそのように評価されること、本当に嬉しく思います。実際にアンバサダーになってみていかがでしょうか?
平和構築にどのように取り組むのか、ということを研究しているわけですが、そうするとどうしても常日頃見るのは「どういう取り組みをしているか」だったり、「援助できるのはどういうところか」に偏りがちです。
面白いことに、そういう時にふとアクセプト・インターナショナルの情報が目に入るので、一呼吸おいて何が必要か考え直す機会を頂いています。アクセプト・インターナショナルの現場での取り組みは、グッドインパクトを生み出していますが、平和構築研究としても非常に興味深いものです。それから永井さんへの出講依頼など、お願い事をしやすくなりました。毎回ありがとうございます。
こちらこそいつも講義や講演の機会をいただき有難うございます!普段アンバサダーとして何かしていることはありますか?
色々な報告や授業などの場でアクセプト・インターナショナルの話を入れたり、紹介したりしています。また、永井さんには、大学の講義で熱い話をしにきてもらっています。自分の話のときには寝ている学生も、永井さんの時には真剣に聞いていて複雑な気持ちですね。その瞬間を思い出すとアンバサダーを辞めたくなります(笑)
私の講義のときも寝ている学生はいたのでご安心ください(笑)。アクセプト・インターナショナルについては今後どのような組織になっていってほしいと考えていますか?
前身団体である日本ソマリア青年機構での取り組みの当初を見るにつけ、特に最初の頃は、想いと勢いを原点に突っ走ったのだなと感じます。普通はそこまでしないのではと思いますし、できない。ただ、そういう人たちが世界を変えていくのだと思います。永井さんは「ユースだからできること」を強調されます。「ユース」というのは、(それ以外からみれば)根拠のない確信で、怖いもの知らずに突っ走る生きる姿勢でもあると思っていますので、そういう原点で続けてほしいです。
一方で、組織としての基盤固めをして、現地での取り組みの継続性を確保してほしい。紛争解決・平和構築の知見を次の活動へフィードバックすることはもとより、新たなアプローチとして体系化していってほしいです。手続き的なところでいえば、認定NPO法人になることをまずは応援しています。それから何より、アクセプト・インターナショナルという場を通じて、世界を変えようとする人たちが生まれて色々な場所で活躍してほしいですね。アクセプト・インターナショナルには、そういう場になってほしいというのがより大きな願いです。
最後に、このサイトを見ている方やメンバーへ何かメッセージをどうぞ!
平和を乱す人々(スポイラー)をどうするかは、平和構築の取り組みでは大きな課題です。どうしたら暴発させないか、どうしたら社会復帰できるか、いろいろな考え方があります。アクセプトの取り組みは、そこに一つの大きなヒントを与えるものでもあると思います。これからどのようになっていくのかは未知数ですが、世界を変えていく可能性も秘めている取り組みを知り、また応援できることは、夢があるのではないかなと思います。
それから、アクセプトを通じて、いろいろ考えるよりもときには想いで動いた方がいい・動かなければならないこともあるということを、思い出させてもらえることは魅力だったりもします。これからも同じように頑張っていってください。応援しています。
本多様、「アンバサダーの声」にご協力頂きまして誠に有難うございました。平和構築や国際平和協力などを専門とされる本多様から大きなご期待をいただき大変有難く存じます。私たちとしても、どこかのタイミングで、脱過激化の取り組みを精緻化しモデル化して世に出せたらと考えております。私たちの活動にお力添えくださり、本当にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。
※本多様の研究の詳細はこちらよりご覧ください。