アクセプトの支援を通じて新たな道を切り開いた若者のストーリーをお届けします。
ご紹介するのは、リハビリセンターを卒業したムスタファです。幼いころから武装組織が身近にあった彼の半生と、アクセプトとの関わりのなかで見つけ出した「新たな道」についてぜひご一読ください。
ムスタファが武装組織アル・シャバーブに加入したきっかけ
ムスタファは1999年にソマリア南西部で生まれました。幼少期は貧しい家庭で育ったこともあり、学校やマドラサ(イスラム教を学ぶ施設)に通うためのお金がなかったと語ります。
そんなある日「アル・シャバーブが村につくったマドラサでは、無料でイスラム教を学ぶことができる」と誘われたことをきっかけに組織に関わるようになり、やがて加入しました。
村のほとんどの若者がアル・シャバーブに関わっていたと言います。
しかし、学びを求めて入った組織で待っていたのは、理想とはかけ離れた生活でした。
「まるで囚人みたいでした」
アル・シャバーブでは自由に話すこともできず、自分で物事を選ぶことも許されていません。こき使われるばかりで将来への希望も失っていきました。
そうした日々のなかで、ムスタファにとっての唯一の希望は、いつの日か組織から離れて自由になることでした。
「このままでは現世に限らず、来世でも良い人生を送ることができないかもしれない」と思ったとき、組織からの投降を決意します。
▲リハビリセンターに来た頃のムスタファ
リハビリプログラムがもたらした「心の変化」
リハビリセンターに向かう道中「長い間刑務所に収容されるかもしれない、はたまた殺されるのかもしれない」と、不安を抱えながらやってきました。
しかし、その不安はセンターに到着し、センター長た当法人代表・永井に初めて会った瞬間に払拭されました。
「彼らが優しい表情で歓迎してくれて、自分は『救われたんだ、平和の中にいるんだ』と感じました」。
リハビリセンターでは安心して休むことができたのはもちろん、プログラムを通してイスラム教の真の意味を学ぶことができました。アル・シャバーブでの学びの中には誤りがあったことにも気づき、平和や安定、互いに助け合う精神の大切さを理解し、より良い人生へとつながる道筋を見出だしました。
やがて1年間のリハビリプログラムを終え、今後の未来を決める時期に。
もともと組織の中で料理の仕事をしていた経験や前向きな姿勢が評価され、リハビリセンターの料理人として抜擢されました。
現在、彼はリハビリセンターにて料理を提供するだけではなく、かつての自分と同じように社会復帰を目指す若者たちを巻き込んで一緒に料理をするなど、平和の担い手として歩んでいます。
エプロンやコック帽を自ら買い揃える姿からも、彼の仕事に対する意欲が伝わってきます。
また、ソマリアに自生する栄養価の高い植物「モリンガ」を使用した新しい料理のレシピ化に挑戦したこともありました。
「センターで受け取った日本の支援者の皆さんからのメッセージがとても嬉しかった」
彼は常々、スタッフにこう語ってくれています。
ムスタファからのメッセージ
日本の皆さんのご寄付と素晴らしい支援に心から感謝しています。皆さんのおかげで教育、健康な食事、医療・衛生面のケア、そして経済的なサポートを受けることができています。厳しい紛争の前線で私たちを助けてくれているのは、日本から想いを寄せてくださっている皆さんとアクセプト・インターナショナルだけです。
このセンターが設立されてから、多くの若者がアル・シャバーブから離脱することができました。センターが設立されるまでは、ここガルムドゥグ州でアル・シャバーブから脱退して社会に戻っていくための機会も場所もありませんでした。これからも、多くの若者が組織から離れてこのセンターで一緒に学べることを願っています。
私だけではなく、他の多くの若者も社会に戻っていく機会を得られるように、これからも温かく寄り添っていただけると幸いです。
今まで私たちのためにしていただいたすべてに感謝しています。本当に、いつもありがとうございます。
かつて絶望の中にいたムスタファが、今では誰かの未来を支える存在になっています。遠く離れた日本からの支援や励ましの声が、現地の若者たちの未来を切り開く力に変わっています。
かつてのムスタファと同じように苦しみの中にいる若者たちの未来を支えるため、今後も施設の拡大や支援の幅を広げていけるように、全力で取り組んでまいります。
【読者の皆様へ】
活動報告記事をお読みいただきありがとうございました。今後も各事業部の活動をわかりやすくお届けしてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
なお、私たちは、月1,500円から活動にご参加いただける「アクセプト・アンバサダー」を募集中です。アクセプト・アンバサダーにはモザイク無しの動画や記事をお届けしております。
暴力に絡め取られた若者を社会一体となって救い出し、新たな道を歩むことを力強く支え、憎しみの連鎖をほどいていくためにぜひアンバサダーとしてご参加いただけたら幸いです。


