活動報告
【ソマリア事業部】平和なソマリア社会に向けて歩む若者たちの進捗

ソマリア事業部では、いわゆるテロ組織アル・シャバーブからの投降促進に加え、投降兵・逮捕者が脱過激化し、社会へ復帰するための取り組みを行っています。

今回は、ソマリア事業部よりリハビリテーション施設の進捗をお届けします。


1. 平和の担い手として活躍するフセイン
ソマリア中部ガルムドゥグ州のアル・シャバーブ支配地域出身であるフセイン(仮名)は、かつて組織から誘拐・強制されてアル・シャバーブに加入してしまいました。

しかし、アル・シャバーブが多くの無実の市民を傷つけ殺害している事実に対して大きな疑問を抱いたことから、組織から投降し、私たちのリハビリセンターで、リハビリプログラム(ケアカウンセリング、職業訓練・ライフスキルトレーニング、基礎教育、宗教教育など)を約1年受講しました。

▲リハビリセンターでのフセイン(黄色の服)。
ソマリア伝統の踊りによるゲームをしています。

そんなフセインですが、卒業後はなんと政府軍兵士としての就職が決まり、現在は平和の担い手として活躍しています。既に最前線に配置されており、仕事の一環として150 kmの道のりをかけて投降兵を私たちのリハビリセンターへ届けてくれました。アル・シャバーブにいた経験があるからこそ、投降兵にも彼ならではの言葉で語りかけ、憎しみの連鎖をほどくことに貢献することができています。

実際に、彼自身も「ヨスケ(当法人代表・永井)や日本の皆さんのおかげで今の自分がいる。これからは、平和なソマリア社会の実現に貢献できるように頑張っていくよ」と話していました。

マイナスの状態を少しでもゼロに近づけていくという発想ではなく、各々が持つ無限の可能性を信じ、発揮し、マイナスをプラスに替えていくとともに、様々な問題への根本的な解決に繋がる良い循環を生み出していくことが、私たちの存在意義です。そうした私たちの存在意義を体現しているフセインを誇りに思うと同時に、これからも、フセインのような平和の担い手を増やし、憎しみの連鎖をほどくための取り組みを続けてまいります。

▲現在はソマリア政府軍として前線で働くフセイン。

▲フセインがリハビリセンターに届けてくれた投降兵。


2. リハビリプログラムを完了した若者の卒業式
今月、投降兵リハビリキャンプからは新たに4名の若者が、フセイン同様に1年のリハビリプログラムを修了し、卒業式を迎えました。

卒業したのは、アル・シャバーブからの脅迫を受けた家族や親戚からの勧誘・説得や、経済的な困窮によって過去にアル・シャバーブに加入してしまった若者たちです。そんな彼らは、私たちが提供するリハビリプログラムを経て、「今後は家族との時間をゆっくり過ごす」、「かつて通うことができなかった学校へ通う」、「家族の仕事を手伝う」など、今後の人生について語っていました。なお、卒業式では、アル・シャバーブからの投降時と今の写真を見比べて笑うことが恒例になっています。

※対象者のリスク管理上モザイクをかけておりますが、当法人の同志として活動にご参加いただける「アクセプト・アンバサダー」には、彼らの笑顔をモザイクなしの動画付きでお届けしております。

▶ アンバサダーの詳細はこちら

▲晴れ晴れとした笑顔で迎える卒業式の様子。

3. リハビリセンターでのほっこり話
最後に少しだけ、ほっこりした話をお届けします。

リハビリセンターでは、たくさんの子猫たちが生まれてきてくれました。若者たちやスタッフからも非常に愛されており、子猫たちと触れ合うのがほっと心温まる時間になっています。

また、自分以外の何かを愛する経験は、彼らが新たな人生を取り戻す上でも大変重要なものです。

皆様もぜひ、可愛い猫の写真に癒されてください!


今後も、憎しみの連鎖をほどくための活動に加え、現地での心温まる話も少しずつお届けできたらと存じます。引き続き温かなご支援をどうぞよろしくお願いいたします。



【読者の皆様へ】
こうした若者たちへの取り組みは、毎月1,500円から活動にご参加いただける「アクセプト・アンバサダー」をはじめとした皆様からのご支援があってこそ成り立っています。暴力に絡め取られた若者たちをより多く救い出し、新たな道を力強く支え、テロや紛争の解決に繋げるためには、まだまだ多くの力が必要です。

憎しみの連鎖をほどくため、アンバサダーとしてともに歩んでいただけたら幸いです。

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