[2026年9月]
アクセプトの支援を通じて新たな道を切り開いた若者のストーリーをお届けします。

ご紹介するのは、イエメンの武装組織フーシ派によって少年兵にさせられ、そこから抜け出した一人の青年アハメド(仮名)です。
かつては武装組織にいた彼ですが、アクセプトの支援を受けたことをきっかけにある強い想いを見出し、人生を再スタートさせています。
アハメドがフーシ派に加わることになったきっかけ
アハメドは12歳の時、フーシ派による思想教育と訓練プログラムへの参加を強制されました。まだあどけなさの残る年、武器で脅されたことで自分の意思とは関係なく組織へと引き入れられていきました。
そこで待っていたのは、服従や自己犠牲を絶対のものとする教育、そして幼い体には重すぎる武器の扱いに関する訓練でした。
「恐怖と混乱の日々でした」アハメドはそう振り返ります。
脱出、そして支援がもたらした「変化」
いつ紛争の前線に送り出されてもおかしくない緊張感の中で過ごしていたアハメド。
しかし幸いにも、前線へ送られる途中の車から逃げ出すことに成功し、持っていたわずかな小銭で家族に連絡を取り、無事に政府側の支配地域へ逃れることができました。
脱退後、アハメドはアクセプトのリハビリ施設で職業訓練や教育支援を受けることになります。特に、職業訓練として行った太陽光発電システムの設置やコンピュータースキルに関する研修によって
「自分の力で未来を切り拓いていけるという自信を得ることができました」と、アハメドは振り返ります。
それまでの自分には想像もできなかった形で学びの機会が開かれていくなかで、アハメドは過去に縛られるのではなく、これからの人生を自ら選び取っていけるのだという感覚を少しずつ取り戻していきました。
▲代表・永井に似顔絵をプレゼントしたアハメド
いま、人を助けるための学びを
現在は大学で医療を学び、手術室技師になることを目指しています。
「かつて紛争の最前線へ送られようとしていた自分が、今では人を助けるための知識と技術を学んでいる」
アハメドはそのことに、大きな意味を感じていると言います。
また、リハビリプログラムを卒業後には、アクセプトが行う紛争地での食料配布のボランティアスタッフとしても参加してくれたこともありました。
▲アクセプトのユニフォームでボランティアスタッフとして食料配布を行う(真ん中)
アハメドは、高校生の頃からアクセプトの国際規範の制定に向けた活動にも当事者として参加しており、2025年11月には、カナダのオタワ大学と共催した国際シンポジウムにも登壇しました。
こうした活動を通じて、「紛争の当事者だった人や紛争の被害を受けた私のような若者こそが、平和を築く主体になれるのだと信じるようになった」と言います。
「過去の経験は決して消えるものではありません。しかしその経験があるからこそ、暴力ではなく対話と希望を選ぶことの大切さを、誰よりも理解しているつもりです」
これからも自分自身の学びと行動を通じてより良い社会づくりに貢献していきたいと、アハメドは決意を語ってくれました。
いつか日本に行きたい
アハメドには日本のアニメや漫画が大好きという一面もあり、描いた絵をいつも送ってくれます。
「いつか日本に行きたい」という想いで日本語の勉強もしているアハメドの様子から、誰もが「戦い」という選択肢を望んで選んでいるわけではないという当たり前のことに改めて気づかされます。
▲アハメドが描いた『陰の実力者になりたくて!』のヒロイン・アルファ
これからも私たちは、日本のNGO団体として、彼のような未来に明るい希望を持つ若者を救い出し、共に、平和に向けてあゆみを進めていきます。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
【読者の皆様へ】
活動報告記事をお読みいただきありがとうございました。今後も各事業部の活動をわかりやすくお届けしてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
最後に、私たちは、月1,500円から活動にご参加いただける「アクセプト・アンバサダー」を募集中です。
例えば月1,500円で1年間ご支援いただくと、かつてのアハメドと同じように、幼い頃に武器を取らざるを得なかった若者20名に対して読み書きなどの基礎教育を1ヶ月間提供できます。
こうして平和の担い手が一人、また一人と増えていくことで、イエメン全体の和平にも貢献することができます。ぜひ皆様の温かなご賛同とお力添えをいただければ幸いです。


