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2019年12月インドネシアでの現地活動のご報告

2019年12月、日本人専門家が渡航してのインドネシア現地活動を実施しました。

本プロジェクトは、中部ジャワ・スラカルタ(ソロ)にて、元・暴力的過激主義者への脱過激化ワークショップと社会復帰支援を提供するものです。

現地の過激派組織に所属してテロ行為に関わり、脱過激化や社会復帰へのさらなる支援が必要と判断された約50名を対象に、思想的な脱過激化を目指すワークショップの機会を提供しています。また、個別の職場訪問・家庭訪問を実施し、彼らが抱える個別の経済・社会的な課題を特定して、その解決のための支援を実施しています。

今回の現地活動では、新規参加者を含む約20名に対して脱過激化ワークショップを実施しました。具体的なワークショップの様子を写真を交えていくつか紹介します。

脱過激化ワークショップでは、「どうしてテロ行為に及んだか」を投げかけます。そこで返ってくるのは「ムスリムの同胞を守るため」「他教徒の悪行をなおすため」などが聞かれます。その動機について、まず傾聴の姿勢を示すことを重要視しています。そのうえで、「では、テロ行為によってその目的を果たせたのか」という質問を投げかけると、たいていの場合には否定の答えが返ってきます。このやり取りをカギにして、ではどのようにしたら目的が果たせるか、対話のなかで考えを深めます。

元・暴力的過激派組織のメンバーと、宗教指導者や長老をはじめとする社会側の代表たちとの相互理解と和解を深める対話セッションを実施しています。対話を通じて、相互理解と和解を深め、問題の認識と解決に向けた方向のすり合わせを図り、今後の社会復帰に向けた前向きな意思を持たせることを目指します。

また、幻滅対策セッションでは社会との融和において待ち受ける様々な問題を事前に把握し、その対策を考え抵抗力をつけたり、問題にぶつかったときに相談・使用できたりする心理的準備の構築を目指します。

家庭訪問・職場訪問では、個別の事情の把握に努めるとともに、課題があった場合には現地協力者とも協働しながら、経済・社会的な自立と社会復帰のための支援を行っています。

前回から引き続き、参加者の脱過激化ワークショップでの変化や社会復帰への前向きな姿勢を伺うことが出来ました。当該地域で、現地団体とも協調しながらどのような成果が上げられるのか、改善しながらも事業を実施して参ります。

なお、インドネシアでの活動は草の根市民基金・ぐらんの助成により実施しております。この場をお借りして、心より御礼申し上げます。

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