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DRRプロジェクト フェーズ1
(2019年4月~10月)実施のご報告

1. はじめに

2018年度DRRプロジェクト立ち上げに際しまして、寄付者の皆様におかれては、過分なるご芳志を賜りましたこと、重ねて心より深謝申し上げます。イスラム系過激派組織「アル・シャバーブ(Al-Shabaab)」によるテロ行為が甚大な犠牲者数を出し続けるソマリア。その現状を変えたいとの一心で活動をはじめてから9年目を迎えた本年、DRRプロジェクトを開始することが出来ました。寄付者の皆さまはじめ、当法人を支えて下さる関係者なしにはなしえなかったことです。必ずやテロと紛争解決にむけた本質的な取組みとして参ります。以下、簡略ではありますが、2019年10月までの実施事項をご報告致します。

2. プロジェクトの目的

ソマリアの首都モガディシュにおいて現地政府と協働でイスラム過激派組織アル・シャバーブの投降兵を受け入れ対象とする”DRRセンター“を運営し、本センター釈放後、彼らの社会との融和を目指します。ソマリアでは投降兵への適切な更生支援・ケアが実施されておらず、投降兵が増えず、これにより社会復帰後の再過激化のリスクが高まる悪循環があります。本センターを起点に投降兵への適切な対処をすることで悪循環を崩し、テロと紛争解決の好循環を生み出します。長らく紛争が続くソマリアで、SDGsゴール16「平和と公正をすべての人へ」を基軸にソマリアの和平とSDGs全体の達成に寄与することが私たちの最終目標です。

3. 本日までの実施事項

皆さまのご支援のお陰で、当初予定には不足するものの、当法人にとって過去最高となる1,000万円での予算を組むことが出来、2019年4月よりフェーズ1(準備期間)を開始しました。その中で、①現地パートナーとなるソマリア政府との連携含む実施体制の構築、②現地でマネジメントを担う職員の雇用とトレーニング、③元構成員に対して提供するプログラム内容のリサーチ・策定、④実施拠点となるDRRセンターの整備を行って参りました。

4. 本日までの達成事項

①実施体制の構築

・2018年度末に、ソマリア政府国内治安省(MoIS)と正式な協働契約となる了解覚書(MoU)を締結。本年4月より協働を開始しました。

・和解セッションで連携する社会側の代表者(警察、宗教者、氏族長等)やモガディシュ市代表団とのワークショップを複数回実施しました。彼らの理解を得られたことで、実施難易度の高い和解セッションの実現が確かなものとなりました。

②職員雇用・訓練

・事業の本格実施に備えて、現地職員の雇用とトレーニングを行いました。

③プロジェクト内容の策定

・より現地ニーズに即したプログラムとするため、実施パートナーや釈放された元構成員へのインタビューを継続的に実施しました。

・そのため、経済的自立へ向けた支援を厚くする方向で調整を進めており、実際の就労のプロセスを支援する雇用マネジメントなどのプログラムを追加する予定です。

・プロジェクト開始後にもニーズに合わせて柔軟に調整することが重要と考えており、受入開始後も適宜調整を加えて参ります。

④実施施設の整備

・ソマリア政府と実施場所の整備を進めました。11月中旬完成・調達完了予定でおり、寄付者の方の記念碑を設置させて頂きます。

5. さいごに

当初予定(8月開始)と比較すると押し気味ではありますが、無事にフェーズ1を終了できたのはいつも活動を温かく見守ってくださる皆さまのお陰です。アクセプト・アンバサダーの皆さま、DRRプロジェクトへの寄付者の皆様に重ねて深謝申し上げます。引き続き、温かく活動を見守っていただけると幸いに存じます。

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