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ロシアによるウクライナへの軍事侵略に関する代表理事声明

この度のロシアによるウクライナへの軍事侵略は、明らかな国連憲章及び国際法違反です。核兵器を利用した威嚇も同様であり、ただただ強い憤りを感じています。また同時に、亡くなってしまった全ての人々に追悼の意を示すとともに、あらゆる形で傷ついた全ての人々に、一刻も早く平穏が戻ることを切に願っています。

そして、ウクライナだけでなく、未だにこの地球上で起きている無数の国際紛争や内戦の全てが、いかに悲惨であるか、改めて痛感しています。人が死に、関係のない市民が様々な困難に晒されることは、世界のどこであっても、許されるべきではなく、一刻も早く解決されなければいけません。

現在、世界中で多くの人々が、現状への絶望感と不安に晒されているのではないでしょうか。次に何が起きるのかわからない。戦禍にいる人々を後目に自分は日常を過ごしていていいのだろうか。寝ている間にも核兵器が飛んでくるのではないか。隣国が自国に攻め込んでくるのではないか、そうした気持ちを私も共有しています。

二度にわたる世界大戦後に人類が一つ一つ築きあげてきた平和の礎が、力ずくで崩されているように感じてなりません。

それでも、現在、多くの国家、機関、ロシア市民を含む多くの市民などが連帯し、この危機を乗り越えようとしています。自分に何ができるだろうかと歯がゆい思いを抱く人、遠く離れた国における危機が一刻も早く収まり平穏な日々を取り戻して欲しいと願う人。そのような人々の存在こそ、人類としての希望だと思うのです。

しかし一方で、自分と異なる意見を猛烈に批判したり、ロシア料理店に中傷や嫌がらせが殺到するほか、ロシア文化などの催しが自粛に追い込まれるといった今の国内の空気感に、少し怖さを感じざるを得ません。遠くの地で起きている事実を、他人事ではなく地球上の一人の市民として共感し、擁護することの尊さを理解しながらも、感情のままに誰かを傷つけたり、異なる意見を認めず攻撃することはまた別の問題だと思うのです。

世界で連帯することの重要性を認識しつつも、どのように連帯していけばよいのか、こうしたことを考える必要があるのかもしれません。SNSでは毎日のように感情的にならざるを得ない映像が流れてきてしまう今だからこそ、理性的な共感が必要なのだと私は思うのです。

私はこの度、非難声明を出すべきか、正直に迷っていました。というのも、本軍事侵略が持つ重大性を理解しつつも、世界には紛争、人道危機、国際法違反などの問題は多数存在している中で、なぜ本件に対して非難声明を出すのかと思ったからです。ウクライナ・ロシアや国家間紛争を専門としない私たちに、その資格があるのかと正直に思いました。

しかしながら、国際秩序における重大な危機に際し、人々の平和への希求と連帯の意義、その可能性を強く感じ、今の想いを意見として表明することを決めました。

平和を願う人々の想いに後押しされた一市民として、何をするべきかを誠実に考えつつ、この世界における憎しみの連鎖を皆様と共に解いていくことに最大限貢献していきたいと、心から決意する次第です。

2022年3月4日
NPO法人アクセプト・インターナショナル
代表理事 永井陽右

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