メンバーの声
【メンバーの声】海外事業局 伊藤めぐみ

[2024年11月]

日頃より温かいご支援、誠にありがとうございます。 ニュースレター担当の小泉です。

「メンバーの声」では、アクセプト・インターナショナル(以下、アクセプト)のメンバーのご紹介をしております。

共に問題解決を目指す「同志」であるアンバサダーの皆さまに当法人のメンバーの人となりを知っていただくことで、より身近に感じていただくとともに、内部でどのような活動をしているのかも知っていただけたら幸いです。

今回は、パレスチナ和平や国際規範の制定に向けてさまざまな業務をされている伊藤めぐみ(いとう めぐみ)さんにお話を伺いました。

1.アクセプトでの業務について

ー現在は海外事業局で色々なリサーチをしたり連絡調整を行ったりしていますー

小泉: お忙しい中インタビューのお時間をいただきありがとうございます。本日はよろしくお願いします!!

早速ですが、アクセプトでの業務内容について教えてください。

伊藤: 私は海外事業局の担当職員で、イエメンやパレスチナなどの海外事業や、国際規範の制定にかかわる業務をしています。

具体的には、元戦闘員のリハビリ支援、緊急人道支援を実施するための業務や、パレスチナの若者リーダーとの対話セッションを行う際の準備や連絡、調整を行っています。また、世界各国にいる元戦闘員の若者、紛争犠牲者を含む当事者が主体となり、NGOや専門家などとともに国際的な意見発信や国際規範制定に向けた取り組みを推進していくタスクフォースである「GTY(Global Taskforce for Youth Combatants)」にも少し関わっています。

▲コロンビアにて、現地機関の方々と。(一番左が伊藤さん)

2.バックグラウンド/加入したきっかけ

ー前職の現場でアクセプトの取り組みを目にし、衝撃を受けましたー

小泉: 関係者も多く、活動を行うために必要な調整も多いことが容易に想像できます。パレスチナでの取り組みについてはアンバサダーの皆様にもお伝えできることがまだ多くないかと思いますが、ホームページで特設ページを公開してあるので、見ていただきたいですね。

では、伊藤さんのバックグラウンドや加入したきっかけについても教えていただけますか。

伊藤: 私は元々取材の仕事をしており、主にテレビの制作会社でドキュメンタリー番組を制作していました。その後、フリーランスとしてイラクやレバノンで個人的に取材をしていました。そのなかで、映像番組を作ったり記事を書いたりする仕事も、もちろんすごく意義を感じていたのですが、だんだんと「これだけでいいのかな」と疑問を持つようになってきました。「単に取材をして、こういった事が問題でした」「ひどい状況でした」と伝えるだけでいいのかなと。

正しく状況を理解して、何が問題なのかを分かりやすく伝えるということもすごく大切だと思うのですが、現在世の中には本当にいろいろなニュースが溢れてて、世界の状況がひどいことは、多くの人がすでに知っている。そこで、人々が本当に知りたいのは 「その問題をどう解決するか、どう取り組めばいいのか」ということなのではないのかと考えはじめました。そのようなことを本当は知らなければいけないし、考えなければいけない。

フリーランスとして活動をしていたとき、とあるきっかけで、アクセプトの仕事の現場を撮影する機会がありました。実際に現場を見せてもらい、こんなことをしている人たちがいるのかと衝撃を受けました。支援というと、物を配ったり、教育機会を提供したりという活動をついイメージしてしまうのですが、正面から問題に向き合おうとする、そういう活動をする団体がいるのかと驚きました。何か私も関われないかという風に思い始め、今に至ります。

小泉: ありがとうございます。現場取材を通じてアクセプトの活動の意義を感じられたのですね。

アクセプトに入られる前もイラクやレバノンでお仕事をしていたということですが、中東に興味を持ったきっかけを教えていただけますか?

伊藤: イラク戦争がはじまったとき、私は高校生ぐらいでした。それまで戦争というのは過去の出来事だという風に感じていたのですが、 「自分が今生きて生きてる時代で、新しく戦争がはじまるのか」と衝撃を受けたのを覚えています。しかも、当時の日本政府は、攻撃を支持していて、 なおさらショックを受けました。その時から、イラクという国が私の中で特別な存在になりました。

映像制作の仕事をしていた時、中東についての番組の企画・制作を行い、そこから個人的にもイラクなどで撮影を行うようになりました。

当時、イスラム国(IS)の戦闘員だった子どもたちの刑務所のようなところにも取材に行きました。普通の子どもたちが、例えば親と喧嘩して、家を飛び出して、ただそれだけのことをきっかけにISに入ってしまっていたりする実情を目の当たりにしました。そうした話を聞いて、「些細な過ちで取ってしまった行動が、今後この子どもたちの人生をどう変えていくのだろうか」「この子たちの人生はこれからも続いていくんだよな」ということを考え、もやもやとした感情を抱きました。

他にもイラク政府への怒りや、宗教的な考えをきっかけとしてISに入った人もいました。こんな複雑な中東についてもっと知りたいと思い、イラクの大学院に1年ぐらい留学をしました。その後、留学した地域はクルド人が多い地域だったので、アラビア語を勉強したいとレバノンに行きました。アラブ人のことについてももっと知りたいと思い、レバノンには1年半滞在しました。

▲現地の子どもたちと伊藤さん

小泉: ありがとうございます。「イラクの子どもの将来ってどうなるのかな」というもやもやが、実はアクセプトの活動にも繋がっているのでしょうか。

伊藤: それが一番の理由というわけではないですが、そのもやもやに加えて、いわゆる対症療法のような、何かが足りないから何かを渡す、 何かが壊れたから何かを直すというような支援だけでは足りないと感じました。イスラム国に入ってしまうような環境、当時の政権や国際社会への不満、怒りやイラクの色々な不安定な状況など、大きな問題があります。

他の国々での活動でも、アクセプトは、そのような根本的な問題を見ようとしているからこそ、携わりたいと思いました。彼らが組織に入ってしまった後に、どう抜け出し、新たな生活を出発できるのかに取り組んでいる。彼ら自身へのリハビリを提供しつつ、同時に政府や軍の人々、国際機関とも話をし、いくつもの関係者に働きかけている。問題そのものを複数の側面から変えようとしている、そういうところに興味を持ちました。

小泉: なるほど、確かにアクセプトと同じように問題に対してさまざまな側面から根本的に取り組んでいる団体はなかなかありませんよね。

前職では取材をしたりドキュメンタリーを作成したりしていたということですが、その経験がアクセプトの活動に役立っていると感じることはありますか?

伊藤: 取材をしていた時、結果を出さなければいけないとか、 何かを実現しなければいけないとか、そういうことはあまり考えていませんでした。どちらかと言えば、いろんな政治や文化、宗教、そして、それらからくる問題などを理解したいという考えのもと、情報収集をしていました。アクセプトで自分が業務をする中では、前職で得た知識や経験を、例えば、事業の計画段階では、「この国ではこの問題が繊細だから慎重に話そう」「あの問題が見逃されがちだからそこは誤解されないように抑えておこう」と、頭の中に置いておけるのは大きいですね。

3.アクセプトの好きなところ・自慢できるところ

ーメンバーみんなが芯を持っているところが好きですー

小泉: 次に、アクセプトの好きなところや自慢できるところについても教えてください。

では次に、メンバーとして加入してみて感じる、アクセプトの好きなところ・自慢できるところはありますか?

伊藤: そうですね、好きなところはメンバーみんなが自信満々なところです。メンバー全員が芯を持っていて。一人ひとりが自分の軸を持ち、活動に取り組んでいるところが好きです。団体としても、一致団結してるようで、一人ひとりが個性を発揮できる自由さを持ち合わせています。

書類1枚作るにしても、本当にみんなこだわって、一言一句、誠心誠意込めて書いていて、良い雰囲気だと思います。

4.アクセプトで苦労していること、学んだこと

ー前職での経験を、いい方向でアクセプトの業務に活かしていきたいー

小泉: ありがとうございます。本当にみなさん芯がある方々ばかりですよね。

一方で、アクセプトで学んだこと、苦労していることはありますか?

伊藤: やはり前職の癖が抜けきらず、過去の話、つまり「どういう経緯でこうなったのか」「あの時どう思っていたのか」「どう感じていたのか」などを詳しく聞こうとしてしまうときがあります。

過去の話を聞くのは大切で、理解するためにも聞いていきたいとは思うのですが、アクセプトの仕事では、過去を理解する以上に、「将来彼らがどうなっていきたいか」といった新しく何かを生み出すための対話が必要とされます。両方大事だと思うのですが、頭の使い方が違うので、これからも試行錯誤することになると思います。

小泉: ありがとうございます。

伊藤さんは現地で活躍してらっしゃったことがありますが、その経験を通し何か感じたことはありますか?

伊藤: 世の中の不平等さ、差別に怒っている人たちがいるということです。日本にいると、どうしても「そういう境遇に生まれたから仕方がない」と無意識のうちに相手の存在をとらえてしまうこともある気がしますが、彼らは自分たちの生活と外の生活の違いを感じていて、「助けてほしい」というより、「なぜ自分たちだけがこうなんだ?」と感じていると思いました。

そんな思いを私はただ聞くだけしかできませんでしたし、問題が大きすぎてどうアプローチしていいかわからないことも多々ありました。そんな中でも、永井さんのように現場に立つ人は、話す内容から順序まですごく準備し、また試行錯誤していました。その様子を見て思ったのは、最終的には、人と人との関係なんだということです。どれだけ誠意を持ってぶつかっていくのかということ。シンプルではありますが、「相手にまっすぐ向き合う」ということがすごく大切だと感じました。

小泉: 本当に大切なことですね。永井さんの現場を見て、今後自分の仕事としてはこういうふうに活かしたいなとか思ったことはありますか?

伊藤: 永井さんが今行っていることをただ同じように行うよりも、どちらかと言えば、むしろ自分は 永井さんがされてないことを色々調べたり、考えたりしていきたいです。自分なりの発想ができるようがんばっていきたいですね。

5.アクセプトの活動でのやりがい

ー何もないところから自分で考えなければいけないことにやりがいを感じますー 小泉: 活動のやりがいについてはいかがですか。

伊藤: 誰も経験したことはないが、考えるべき問題だから取り組まなければいけない、というような「何もないところから始める」ことが多々あり、自分の頭を使って一から考えることにやりがいを感じます。

他の人のアイデアに対し、「ここはこういうとこが難しいのでは?」などと少し後ろ向きな突っ込みをいれると、「なんか他にアイデアある?」と返ってくるんですよね。難しいのはみんなすでにわかっているし、 色々な困難があることももうわかっている。しかし、難しさがあったとしても取り組む必要がある事実は変わらない。批判するのは簡単ですが、批判する暇があるなら、他の方法を考えてよという。大変ですが、意義を感じます。


6.今後の目標

小泉: 難しいからこそ「考える、アイデアを出す」ってすごく大切ですよね。

今後の予定や目標について、アクセプトに関わることでも、個人的なことでも、何かあれば教えてください。

伊藤: 個人的にはアラビア語の勉強ですね。そして本をたくさん読みたいです。常日頃の業務ももちろん大事だけれど、もっといろんなことを理解し、考える幅を広げていきたいです。

7.プライベートなお話

ー最近はNetflixにハマっています。その中でも・・・ー 小泉: ありがとうございます。

伊藤さんの趣味などプライベートなお話も聞かせてください!

伊藤: 最近は、再びNetflixにハマっています。イラクやレバノンに行ったこともあり、中東の雰囲気が懐かしく感じるので、中東のドラマを見て、アラビア語の雰囲気や家族間、男女間のややこしい雰囲気を味わっています(現地でも実際に見聞きしました笑)。当時の空気感を思い出すことができ、楽しいです。

おすすめは、「アルラワビ女子高校」ですね。ヨルダンの昼ドラの女子高生版みたいなお話で、最初は色々嫌な目にあっていた女の子が仕返しをしていくだけの話のように感じるのですが、嫉妬や親の干渉、強いルッキズムなどアラブならではドロドロとした事情も組み込まれていて、面白いです。

また、「アル・ハイバ」という、レバノンのお話も現代版義理人情のあるヤクザ一家のようなストーリーで、面白くておすすめです。

小泉: ありがとうございます。機会があれば見てみたいです!

最後に、ちょっと突拍子もない質問ですが、1日お休みがあったら何をされるか、もし100日お休みがあったら何をしたいか、教えてください(笑)

伊藤: 1日休みだったら、ちょっと薄暗い部屋で、ブランケットに包まって、お菓子やジュースとともに、1人で映画とかドラマとか見るのが好きですね。

もし100日あったら、どこか日本ではない場所に行くと思います。海外とかに行って、色々な人と話したりとか、出歩いたりというのが好きです。中東に限らず、例えば、あまりアフリカ大陸の国に行ったことがないので、行ってみたいですね。色々なところに行ってみたいと思いつつ、やはりアラブ圏、中東にはなにか個人的に惹かれるものがありまして。アラブ人はすごく感情をたくさん伝えてくれるんです。しかし同時に、すごく繊細な人たちでもある。もし100日休みがあったら、アラブの人々と関わっていたいかもしれません。

▲伊藤さん撮影のご当地料理写真。イラクの鯉料理。

▲続いて、シリア・レバノン料理

▲イラクでお寿司を食べる伊藤さん。

8.アンバサダーの皆様へ一言

小泉: それでは最後に、アンバサダーの皆様へメッセージをいただけますか。

伊藤: 新しく知り合う人に、どんな仕事しているのかと聞かれることがあります。しかしながら、なかなか説明も難しく、「大変そうなこと、難しそうなことをしてるんですね」というような微妙な反応が返ってくることが多くあります。伝え方も色々考えなければいけないなと思うのですが、やはり理解されづらい分野であると感じます。

そのなかで、アンバサダーの方々が、応援しているよと表明してくださり、実際に支援をくださってるというのは、大きな支えになっています。1人1人の応援が嬉しいです。ありがとうございます。


メンバーの声をお読みいただきありがとうございます。

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