イエメンにおける取り組み
私たちはフーシ派の捕虜として無期限で収容されている若者や、フーシ派に捕えられていた帰還兵・投降兵へのリハビリテーション・社会復帰支援に加え、捕虜の解放に向けた交渉、そして紛争の被害者・犠牲者への支援を行っています。これにより、イエメンにおける憎しみの連鎖をほどいていくための足がかりを築いています。
主な活動地域は、南西部のタイズ県と中部のマアリブ県です。いずれもフーシ派とイエメン暫定政府との紛争の前線となっており、そこで政府が運営している特別捕虜収容所を拠点に活動しています。
①捕虜へのリハビリテーションの拡大や釈放に向けた交渉
フーシ派とイエメン暫定政府の間では、政府が収容しているフーシ派の捕虜と、フーシ派に捕らえられている政府側の捕虜を交換する「捕虜交換」の枠組みがあり、私たちはその交渉現場に参画しています。
この枠組みの課題は、ただ単に捕虜の交換をするだけでは再び戦闘員に逆戻りしてしまうリスクがあることです。私たちは、イエメンで収容された全ての捕虜に対してリハビリテーション・社会復帰支援を実施しその上で釈放すること、そしてその後の人生を一人一人が選ぶことができるようにするための交渉を行っています。
また、期限付きで収容される受刑者とは異なり、捕虜は無期限で収容されています。これにより収容所が過密になるだけでなく、彼らの社会復帰の見通しが立たないことが問題になっています。私たちは、リハビリテーション・社会復帰支援を提供した捕虜の若者を釈放するための交渉も行っています。
②リハビリテーション・社会復帰支援
フーシ派の捕虜として特別収容所で収容されている元戦闘員の若者に加えて、かつてフーシ派に捕えられ戦闘に加担させられた帰還兵・投降兵に対するリハビリテーション・社会復帰支援を行っています。
この枠組みの課題は、ただ単に捕虜の交換をするだけでは再び戦闘員に逆戻りしてしまうリスクがあることです。私たちは、イエメンで収容された全ての捕虜に対してリハビリテーション・社会復帰支援を実施しその上で釈放すること、そしてその後の人生を一人一人が選ぶことができるようにするための交渉を行っています。
これにより、紛争に巻き込まれた当事者がユニークな平和の担い手となることを目指しています。以下は主なプログラムです。
ケアカウンセリング
彼らが抱える問題を受け止め、平和的な手段を用いてそれらを解決するために彼ら自身が何をすべきかを共に考えることで、彼らの人生における新たな目標を打ち立てることを目指しています。特にイエメンでは無期限で収容されている方や強制的に戦闘に加担させられ心身ともに傷を負っている方が多くいるため、そうした不満を癒すようなケアの側面も重要です。
職業訓練・ライフスキルトレーニング
将来の雇用に活用できる職業スキルの獲得に向けたトレーニングを実施しています。具体的には、太陽光発電設備の設置とその管理、自動車やバイクのメンテナンス、溶接、裁縫などがあります。それに加えて、獲得したスキルを実生活でどのように生かすかなどを考えるライフスキルトレーニングも行っています。
基礎教育
アラビア語の読み書きや算数、英語のクラスを週5日で実施しています。捕虜収容所では、かつて先生をしていて捕虜になっている方もいるため、彼らが他の収容者に対して教える機会も設けています。
幻滅対策セッション
社会に出た後に期待通りにいかない現実に直面した時、再過激化のリスクが高まります。そのため、彼らに厳しい現実を克服できるような心構えを事前に持ってもらうことが重要です。幻滅対策セッションでは、釈放後に起こりうる問題(社会からの差別や雇用の難しさなど)について事前に話し合うとともに、その問題に対する解決策を共に模索しています。
宗教再教育ゼミ
イスラム教の講師とともに、聖典に基づいた和解、罪と赦し、平和などのテーマを講義形式で学ぶだけでなく、それについて共に議論したり考えたりするゼミを行っています。これにより、多角的な視座や批判的思考力を持ってもらうことを目指しています。
身元引受人の調整・長期フォローアップ
プログラム終了に際して、彼らの身元引受人に連絡をとり適切な関係を築くとともに、その後も状況に応じて長期的なサポートを行っています。
収容所の改善・改良支援
特別捕虜収容所の施設の改善・改良支援のため、居房の増築などの改修、本棚の設置を行ってきました。さらに衛生環境の改善に向けて、石鹸やシャンプー、トイレクリーナー、歯ブラシ、電気シェーバー等の配布も行なっています。
また、収容所の外に畑を整備し、野菜を育てる環境づくりにより自給率を高めるとともに、栄養改善にも取り組んでいます。捕虜たちは基本的に外出が許可されていないものの、この畑仕事にも参加できるように交渉を行いました。
こうした環境改善により、収容された若者たちの不満を和らげるとともに、人間としての尊厳を取り戻し社会復帰への前向きな意識の醸成に繋げています。
③紛争の被害者・犠牲者への支援
長引く紛争によって故郷を追われた国内避難民などに向けて、食料支援や現金給付に加え、心身のケア、子どもたちへの緊急下の教育支援、バイク修理スキルなどの職業訓練などを実施しています。また、食料支援などの現場にはフーシ派から離脱した元戦闘員の若者も参加できるようにし、和解にも繋がる場となるよう工夫しています。















