難民問題の現状と原因は?私たちにできる寄付・支援を解説
現在世界にはおよそ1億人の難民・避難民がいます。ニュースなどで「難民」という言葉を耳にする機会が増え、何か自分にできることはないかと考えている方も多いのではないでしょうか。本記事では、その難民問題の現状や原因、国際社会や日本の対応策について解説します。ぜひ最後までお読みください。
難民の現状
まずは、難民とはどのような人々を指すのか、そして世界にはどれくらいの難民がいるのか、その現状を見ていきましょう。
難民とは
国連は1951年の難民条約において、難民を次のように定義しています。
「人種、宗教、国籍もしくは特定の社会的集団の構成員であることまたは政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために、国籍国の外にいる者であって、その国籍国の保護を受けられない者またはそのような恐怖を有するためにその国籍国の保護を受けることを望まない者」¹
また、助けを求めて外国へ逃れた難民の他に、故郷を追われたものの国境を超えずにいる「国内避難民(IDP:Internal Displaced People)」も数多くいます。
こうした難民たちは、ノン・ルフールマン原則という国際法により、正式な難民認定前であっても彼らが迫害の危険に直面すると考えられる国へ送還・追放されてはならない決まりとなっています。
世界にいる難民の数
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、2025年11月時点でおよそ3640万人の難民と7350万人の国内避難民がいると考えられており、世界全体で故郷を追われた人(難民・避難民)は1億1730万人にのぼるとされています²。日本の人口が2025年時点でおよそ1億2300万人であることを考えると、非常に大きな規模になります³。
世界の人道危機が長期化・複雑化するなか、紛争や迫害、気候変動の影響などにより、望まない移動を強いられる難民・避難民の数は増え続けています。そして彼らは、衣食住がままならない、不衛生な環境での生活が強いられる、教育へのアクセスがなくなるなどさまざまな問題に直面しています。
難民になる原因
難民の定義で確認したように、難民が生まれる原因は紛争、貧困、飢餓、気候変動、政治的迫害など様々あります。
ただ、その中でも紛争は最も大きな原因の一つです。世界の難民の約70%は5つの国(2025年時点でベネズエラ:650万人、シリア:550万人、ウクライナ:520万人、アフガニスタン:480万人、スーダン:250万人)⁴から発生していますが、そのうち3つの国は紛争が原因で多くの難民を出してしまっています。
また、上記は国外に逃れた難民の人数についてですが、紛争が原因で生まれた「国内避難民」の数については、2025年時点でシリアで76万人、ウクライナで30万人、スーダンで377万人、そして私たちの活動するソマリアで31万人、イエメンで3.5万人⁵と、紛争は難民・避難民を出す大きな要因となっています。
避難先で難民になった人々は行政やNGOから支援を受けますが、紛争の影響が残り続ける間は、難民でいることを強いられてしまいます。つまり、難民の支援をすると同時に、紛争を解決するための取り組みも行っていくことが、難民問題を解決するうえでは不可欠になるのです。
国際社会の対応
ここまで難民の現状や原因に触れてきましたが、国際社会はどのように難民に対応しているのでしょうか。
国レベルの支援
国レベルでは主に以下のような取り組みが難民の方々に対して行われています。
資金拠出
先進国をはじめとする各国は、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)やWFP(国連世界食糧計画)などの国際機関に対し、活動資金を提供することで難民のサポートをしています。
難民の受け入れ
各国は、難民をその国で受け入れ保護することでも難民の支援を行っています。ただ、世界の難民の約8割は、アフリカ、アジア、中南米などの低・中所得国によって受け入れられており、難民支援の責任と負担を国際社会で広く分担することが求められています⁶。
NGOの支援
NGOは難民に対し以下のような支援をしています。
緊急人道支援
NGOは難民に対し、食糧支援や給水支援、医療支援といった緊急人道支援を実施しています。
自立支援
心理的なケア、学習支援、職業訓練などいろいろな形がありますが、NGOは難民の方々が自立して生きていけるようなサポートをしています。
また、難民申請支援といった法的なサポートをしている団体もあります。
これらのNGOの支援は一般の寄付者によって支えられていることが多いです。つまり寄付とは、誰でもすぐに始められる最も身近な難民支援の形ともいえるでしょう。
日本の対応
近年では日本でも難民をはじめとする外国人についての話題がよく議論になっています。以下では、日本はどのように難民と向き合っているのかを確認します。
資金拠出
日本は世界有数のドナー国(国際機関などに資金提供し開発途上国に対して支援をしている国)として知られています。
例えば、2025年では日本はUNHCRに対する世界で第6位の資金拠出国(国と民間あわせて約1.4億米ドル)となっており、資金拠出において、難民の保護に大きく貢献しています⁷。
難民の受け入れ
また、国としても難民を受け入れています。難民の受け入れパターンとしては主に以下があります。
条約難民
1951年の難民条約の要件に該当すると判断された人を「条約難民」と呼びます。1982年に難民認定制度が導入されてから、日本も条約難民を受け入れています。2024年度末までに、合計1610人を受け入れました⁸。
インドシナ難民
1975年のベトナム戦争終結に前後し、インドシナ3国(ベトナム・ラオス・カンボジア)では新しい政治体制が発足し、そうした体制になじめない多くの人々が、その後数年にわたり国外へ脱出しました。これらベトナム難民・ラオス難民・カンボジア難民を総称して、「インドシナ難民」と呼びます。
受け入れ開始の1978年から、受け入れが終了した2005年末までのインドシナ難民定住受入れ数は11,319人です⁹。
第三国定住
出身国外で難民認定を受けてキャンプ等で暮らしている難民を、先進国などに定住させる「第三国定住」という仕組みがあります。日本は2010年から参加し難民を受け入れており、2024年度末までに合計135世帯332人を受け入れました¹⁰。
補完的保護対象者
近年、紛争により避難民になった人など、迫害を受けるおそれがある理由が難民条約上の定義には該当しないものの、保護を必要とする人が存在しています。
このような、条約上の「難民」ではないものの「難民」と同様に保護すべき紛争避難民などを確実に保護する制度として、2023年12月より、補完的保護対象者の認定制度が開始されました。
そのため、この制度の対象者は厳密には難民ではなく「準難民」と呼ばれることもあります。例えば、2024年には多くのウクライナ人避難民がこの制度により日本への滞在許可がおりました。
上記以外の保護
上記の難民保護の対象にはならないものの、人道的な配慮を理由に在留を認める場合があります。
例えば、「シリア難民危機」に対する世界的な注目を受け、2016年より向こう5年間で最大150名のシリア人を大学院レベルの留学生として受け入れることが決定されました。この決定により、2016年度~2021年度で合計115名のシリア人留学生が来日しました¹¹。厳密には難民としての受け入れではないものの、こうしたケースもありました。
あなたにできること
ここまで確認してきた通り、難民が発生する原因には紛争が大きくかかわっています。つまり、難民問題を根本から解決するには、難民への支援だけではなく、紛争そのものを解決する取り組みも必要不可欠です。
そんな中、私たちアクセプトインターナショナルは、ソマリアやイエメン、パレスチナといった紛争の最前線で、その根本解決を目指してた平和構築の活動を行っています。また、日本国内においても、難民認定申請者の支援を行っています。
こうした日本を含む世界中での活動は、 毎月1,500円(1日50円)で活動を支援していただける「アクセプト・アンバサダー」をはじめとした皆様のご寄付があるからこそ実現できています。
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² UNHCR, “Refugee Data Finder”, 4 November, 2025, https://www.unhcr.org/refugee-statistics (Accessed on: 15 Februry 2026)
³ 総務省統計局、「人口推計(2025年(令和7年)8月確定値、2026年(令和8年))」 https://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.html(2026年2月15日閲覧)
⁴ UNHCR, “Refugee Data Finder”, 4 November, 2025, https://www.unhcr.org/refugee-statistics (Accessed on: 15 Februry 2026)
⁵ Internal Displace Monitoring Centre, “2025 Global Report on Internal Displacement (GRID)”, 2025, https://www.internal-displacement.org/global-report/grid2025/(2026年2月15日閲覧)
⁶ 外務省、「難民問題」 https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/nanmin/main1.html(2026年2月15日閲覧)
⁷ UNHCR, “Donors”, 31 December, 2025, https://www.unhcr.org/about-unhcr/planning-funding-and-results/donors?dataset=CNT&yearsMode=single&selectedYears=%5B2025%5D&level=DNR&category=ALL&fundingSource=ALS&compareBy=%5B%22level%22%5D&viewType=table&chartType=bar&tableDataView=absolute (Accessed on: 15 Februry 2026)
⁸ 出入国在留管理、「我が国における難民保護の状況等」 https://www.moj.go.jp/isa/publications/press/07_00054.html(2026年2月15日閲覧)
⁹ Ibid.
¹⁰ Ibid.
¹¹ Ibid.


