
いつも温かなご支援をいただき誠にありがとうございます。前回の新着記事ではパレスチナ若手リーダーの広島での体験や対話についてご報告いたしました。
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本記事では、東京都内で実施した日本の市民社会との対話・交流イベントについてご報告します。
東京都内のモスクでの市民交流
広島での会合を終えた翌日の8月8日、東京都渋谷区にあるトルコ系のモスク「東京ジャーミイ」でパレスチナ若手リーダーと日本の市民社会との対話・交流イベントを行いました。
会場には都内のモスク関係者やアクセプト・アンバサダーの皆様、またパレスチナに関心を持つ日本の皆様がおよそ80名集まり、オンラインからは約100名が参加しました。これまで日本の関係機関との公式な対話が中心だった若手リーダーたちにとって、大勢の日本人の方々と直接交流できる機会はこれが初めてであり、まさに特別な一日となりました。
イベントは、都内のモスク代表者として豊島区の大塚モスクからのご挨拶に始まり、若手リーダーたちによるリレートークと質疑応答、日本人参加者からのメッセージ、文化交流とパレスチナ料理の夕食会など盛りだくさんの内容でした。

ガザ出身の女性リーダーの想い
リレートークで想いを伝えた一人の女性リーダーはガザ出身で、170日間にわたるイスラエルの攻撃を経験したのちにエジプトに避難してきた背景がありました。
「日本に来て、穏やかな空気が流れていることに安らぎを感じました。しかし、ガザの風景や爆撃の音は今も忘れられません。ガザでは明日のことを考えられず、考えるのはこれから1時間先のことだけでした。明日、生きていられる保証はないからです」。
「同じ戦争の痛みを知る日本の皆さんとこの悲しみを共有したい。そして何より、パレスチナ人を“人間”として見てほしいと願っています。ガザは崩壊した写真の中だけの存在ではないのです」。

彼女の両親はいまもガザで暮らしており「困難があっても自分の人生を歩みなさい」と背中を押して彼女を送り出したといいます。また、若者たちの中には、ジャーナリストとして取材中の兄弟を失った人、レバノンからパレスチナ難民として来日した人、日本滞在中に親戚の訃報を受け取った人もいました。
それでも、日本で出会った人々とのつながりが彼らにとって大きな励みになり、勇気を与えました。
文化を通じた交流
イベントでは、パレスチナの伝統衣装やパレスチナ料理の夕食会、予定外の礼拝見学、パレスチナの映像紹介など、文化を通じた交流も行われました。日本の参加者の中には浴衣や着物を着てお越しいただいた方もおり、パレスチナの若者たちも交流を楽しんでいました。
彼ら彼女らは「戦争の地」というイメージだけでなく、文化や日常の美しさを知ってもらうことに強い願いを持っていたため、パレスチナの魅力を伝えられたことに喜びを感じていました。そして私たちとしても、そうした明るさを取り戻すために引き続き新たな和平プロセスを支えていく決意を新たにしました。


参加者の声
イベントにご参加いただいた皆様からは以下のような感想が届きました。
「パレスチナの人々が“人間”として語る声を直接聞き、胸が熱くなった。解決に向けて、自分にできることを行動で示したい」。
「直接声を聞いて涙が出ました。ニュースでは分からない現実を知りました。」
「パレスチナの文化の豊かさにふれて、距離が一気に縮まった。もっと学びたいと思いました」。
「一人ひとりの体験がとても重く、でもその中に希望を感じました」。
こうした感想は、若手リーダーたちにとっても「自分たちの声が届いた」という実感につながったようです。改めてご参加いただいた皆様に心から感謝申し上げます。
また、この日の交流は、翌日8月9日に行われた東京での本会合に向けた大きな布石となりました。日本の皆様との出会いを通じて、彼ら彼女らは改めて「パレスチナの声を届けたい」という思いを強めたのです。

どうか引き続き、彼ら彼女らが未来を描くための取り組みに温かなご支援を何卒よろしくお願いいたします。
※次回の記事では東京での本会合についてお伝えいたします。