いつも温かなご支援をありがとうございます。
昨年8月に採択した「東京宣言およびアクションプラン」を受け、私たちは今、ガザを逃れた若者たちの声を直接つなぐ新たな対話の場を広げています。
先日その一環として、来日した若手リーダーのひとりであるマリアムと共に、ガザからエジプトに逃れてきた若者たちを招いた対話会合を実施しましたのでご報告いたします。
マリアム自身もガザ出身で、2023年10月7日以降、170日間にわたり戦禍の中での生活を余儀なくされました。その後、エジプトに逃れて暮らしています。
同じようにガザからなんとかして陸路でエジプトへ逃れてきた若者たちも多く、そうした人々を巻き込んだ会合として今回の対話会合を実施しました。
彼らとの膝詰めの議論は、ノンストップで約2時間半に及びました。会合では、特に次のような声が共有されました。
・ ガザ出身というだけで「テロリスト」のレッテルを貼られ、差別や偏見にあうこと
・ 今も昔も、難民として各地に離散したパレスチナ人と繋がるのは非常に難しいこと
・ ガザを離れた彼ら彼女ら自身もまた、和平に関する議論から取り残されていること
・ だからこそ、包括的な対話の場をさらに創ってほしいということ等ーー
それでも彼らは立ち止まってはいません。各々がそれぞれの立場でできることを実践しています。
例えばマリアムは、同じ境遇の若者たちとともにガザに関する短編集を制作するなど、自らの声を世界に届けようとしています。短編集は日本での対話会合で得たインスピレーションがもとになっており、彼女が実際に目にし、感じてきたことが物語として描かれています。
主人公は、ガザ出身の女子大学生。奨学金を得てガザの外での未来を夢見る青年と出会いますが、戦争が続き日常が失われていく中で、その希望も次第に失われていきます。
そんな中、病を抱えた祖母の治療のため、彼女は祖母とともに東京へ渡る機会を得ます。しかし到着後まもなく祖母は息を引き取り、彼女は遠く離れた異国の地で一人その最期を見届けることになりました。
安全な東京にいても、ガザでの戦禍の記憶や取り残された人々の面影、そして祖国で眠ることを願った祖母の言葉は彼女の中から消えません。それでも彼女は、祖母ががれきの下に埋もれ、行方不明として統計上の「数字」として処理されたりすることなく、一つの墓に埋葬されていることを「幸運なこと」と受け止めます。
私たちが当たり前のように考える「未来を思い描くこと」、そして「一人の人間として尊厳をもって死を迎えること」。そうしたことさえ難しいガザの現実が静かに刻まれた物語です。
今回のエジプトでの会合を通して、地理的・政治的に分断されたパレスチナの人々を包摂する新たな和平プロセスの必要性を改めて強く認識しました。そしてそれは、日本人という善き第三者だからこそ実現できうるものだと信じています。
今後も中東諸国はもちろん、欧州や米国などにいるパレスチナの人々の声をさらに巻き込み、統合的なパレスチナ和平につながる場を設けていきます。
こうした前例のない挑戦を継続するためには、皆さまのご支援が不可欠です。もしこの取り組みに意義を感じていただけましたら、ぜひご寄付という形でご参加いただければ幸いです。