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History 10年間のあゆみ

2011

  • 9月26日、早稲田大学で「日本ソマリア青年機構」を設立
  • 紛争孤児として来日したソマリア人学生を介して現地の若者組織にリーチ
  • 出来ることを模索する中、紛争孤児の日本への留学斡旋の取り組みを開始

当時の状況

比類なき人類の悲劇と国連から称されていたソマリアを偶然知った代表永井は、そんな状況にも関わらずソマリアが見て見ぬふりをされていることに憤慨し、「何ができるかはわからないが、とにかく今やるべきはソマリアだ」と決意。多くの大人に反対されながらも、大学でビラ配りや勧誘スピーチをしたり、ミーティングに使える空き教室を探したりと動き回り、徐々に仲間が増えていきました。

2012

  • ソマリアの隣国ケニアにあるソマリア人移民難民居住区への渡航を重ねる
  • スポーツ用品をケニアに送る取り組みを開始
  • 様々な大学生が集まり、20人以上の組織に拡大

当時の状況

口だけの大人たちが何もできないから自分たちがやるのだと息巻くわりに、自分たちの活動の小ささや無意味さに忸怩たる思いを抱える日々。それでも、現地のソマリア人メンバーたちと何度も議論を重ね、お金も知識もない自分たちに何ができるのか、何をすべきなのかを仲間と考え抜きました。現場で極めて深刻な問題となっていたソマリア人ギャングの問題に触れ始めたのがこの頃でした。

2013

  • ソマリア人ギャング更生プロジェクト「Movement with Gangsters」を開始
  • 代表永井がアフリカ連合と共に初めてソマリアへ渡航
  • 一方、ソマリア人メンバーとの間で衝突が起き、組織が崩壊しかける

当時の状況

ソマリア人ギャングたちとの初対面は、代表永井が胸ぐらを掴まれるなど険悪なものでした。それでも諦めず社会を変えていく同じ若者であることを訴え続け、プログラムへの参加を実現。彼らを一方的に更生させるのではなく若者として復活させる「Movement with Gangsters」は、その斬新なアプローチから現地テレビ局からも取材を受けるなど大きな反響を呼びました。

2014

  • 「Movement with Gangsters」が本格化し、さらに多くのギャングを受け入れ
  • 国際協力分野の学生NGOとして高い評価を確立。外務大臣奨励賞などを受賞

当時の状況

組織規模が30人以上になっていく中で、立ち上げ期メンバーたちが大学を卒業するタイミングとなり、私たちはどこを目指していくのか、どうあるべきなのかという議論が非常に活発に繰り広げられました。中心メンバーが変わっていく中で、学生主体の組織として一つの過渡期を迎えていました。

2015

  • 代表永井がロンドンに拠点を移動
  • 受け入れたギャングがプログラム修了後に他のギャングに襲われ死亡
  • 受け入れたギャングが武装組織に加わり日本人に脅迫を行う

当時の状況

組織自体は「Movement with Gangsters」を軸に順調に活動していたものの、私たちの対象者の死亡や過激主義に基づく死刑宣告などの脅迫を初めて受けた時期でした。当初はもう終わりだと絶望したこともありましたが、それでも現地のソマリア人の方々を含め多くの人に応援され、立ち直っていきました。

2016

  • NPO法人化と今後の事業計画を検討
  • いわゆるテロ組織「アル・シャバーブ」の投降兵に対する現地政府プログラムに参画
  • これまでの軌跡を描いた『僕らはソマリアギャングと夢を語る』が英治出版より発売

当時の状況

代表永井がいよいよ学生でなくなるにあたり、これから大人として何をするべきなのか、考えを巡らせました。個人として力を磨くのか、それとも組織としてさらに進んでいくのか。熟慮を重ねた結果、ソマリアだけではなく他の紛争地にも対応できる、そしてギャングだけでなくいわゆるテロ組織のメンバーをも受け入れることができる組織になろうと決意を固めました。

2017

  • NPO法人格を取得し、アクセプト・インターナショナルに改称
  • ソマリアでの取り組みが本格化する中で、国連との連携を開始
  • ナイジェリアなどを複数回視察

当時の状況

4月3日に団体名をNPO法人アクセプト・インターナショナルとしました。社会人メンバーも加わり組織運営が本格化すると同時に、現場での取り組みも多角化・本格化が進みました。一方で、ナイジェリアや新疆ウイグル自治区など多様な地域での活動に挑戦した結果、組織としての意義や価値が薄れていったため、事業の選択と集中について真剣な議論を行いました。

2018

  • ギャング組織「カリフマッシブ」解散
  • ソマリアにて、「アル・シャバーブ」投降兵および逮捕者への脱過激化・社会復帰プロジェクト「DRRプロジェクト」を開始
  • インドネシアにて、いわゆる元テロリストへの脱過激化・社会復帰プロジェクトを開始

当時の状況

三大ソマリア人ギャング組織のひとつ、カリフマッシブの解散式が象徴的に行われました。また、それまでの成果や教訓を活かし、ソマリアの地にてアル・シャバーブ投降兵や逮捕者への取り組みを開始しました。さらに、新たにインドネシアでの取り組みも開始されました。成長を続け、多くの成果が生まれる一方で、ソマリアでは現地メンバーが自爆テロに巻き込まれるなど、改めて自らの責任や使命を確認しました。

2019

  • ソマリアにて、DRRプロジェクトを本格化
  • 海外危機管理の徹底

当時の状況

ソマリアでのDRRプロジェクトはさらに本格化し、刑務所をはじめとして多くのリハビリテーション施設や刑事施設、関係者を巻き込んだ総合的な事業に発展していきました。また、国連からも若者と暴力的過激主義に関するアドバイザー業務を託され、ひとつの日本産NGOとして様々な場で活動を展開していきました。

2020

  • ソマリアにて、いわゆるテロ組織からの投降を促進する取り組みを開始
  • イエメンにて、武装勢力からの投降兵へDRRプロジェクトを開始
  • バーレーン国王と国連から平和賞を受賞、パリ平和フォーラムにて日本から初選出
  • コロナ禍に際し、国内にて在日ムスリム支援および更生保護支援を開始

当時の状況

世界中に広がる新型コロナウイルスのパンデミックへの対応を行いながら、ソマリアでの取り組みをさらに加速させ、中東のイエメンにおいて投降兵に対してDRRプロジェクトを開始しました。国内外における組織規模の拡大により、さらに大きなインパクトを生み出すことになりました。そして、日本だけではなく、海外からも私たちの取り組みに対して高い評価をいただきました。

Program 現在の取り組み

そして2021年現在、ソマリアとイエメンという熾烈な紛争地に加え、テロや紛争の影響が強くあるケニア、インドネシア、そして日本国内において、事業を展開しています。
さらに、国連の主要機関である経済社会理事会から、特別な能力を有するNGOの証である「特殊諮問資格」が付与されました。また、国連から特別メンター、専門家会議、専門作業部会などにも招聘され、政策決定にも大きく貢献しています。

ソマリア

世界最悪の紛争地ソマリアからテロのない世界を創る。

熾烈な紛争が今なお続くソマリアでは、刑務所などにおいて、所謂テロ組織からの投降兵と逮捕者の脱過激化と社会復帰を支援しています。極めて難しい環境および対象であることから、投降を引き出すアウトリーチ、カウンセリング、職業訓練、宗教再教育、基礎教育、社会との対話セッション、身元引受人や受け入れコミュニティの調整、長期フォローアップなどを行い、包括的且つ人道的に彼らの脱過激化と社会復帰を実現しています。

イエメン

すべての若者が武器ではなく希望を持てるように。

世界最悪の人道危機と国連が警鐘を鳴らしているイエメンでは、政府の施設にリハビリテーションセンターを設置し、いわゆるテロ組織を含む反政府武装勢力からの投降兵の脱過激化と社会復帰を支援しています。極めて難しい環境および対象であることから、投降を引き出すアウトリーチ、カウンセリング、職業訓練、宗教再教育、基礎教育、社会との対話セッション、身元引受人や受け入れコミュニティの調整、長期フォローアップなどを行い、包括的且つ人道的に彼らの脱過激化と社会復帰を実現しています。

ケニア

取り残された若者を、社会変革のリーダーに。

紛争地ソマリアに隣接するケニアでは、社会の中で排除されギャングとなってしまった若者や、危険なソマリアとの国境のような取り残された地域で十分なケアがされていない脆弱な若者たちがいます。不満が溜まりやすい環境の中でテロに加担するリスクのある彼らに対し、意識改革ワークショップや実用的な職業訓練に加え、日常生活の中で直面する課題に対応するためのライフスキルなどを提供することで、テロリストではない未来を歩むことを実現しています。

インドネシア

テロリズムではないジハードを、共に考える。

グローバルテロリズムにおける一つの要所となっているインドネシアにおいて特に過激主義が問題となっている中部ジャワにて、刑務所で服役を終えたいわゆる元テロリストの方々の脱過激化と社会復帰を支援しています。刑務所の中でさらに過激性を高めている方も多いことから、警察や軍関係者を含めた社会側の代表者たちを招聘しての対話セッションや長期フォローアップにも力を入れており、共にテロ以外の方法を考えています。また、若者のオンライン過激化を防ぐ包括的なイニシアチブを現地の研究者やNGOと協働で進めてもいます。

日本

日本国内においても誰一人取り残さない。

日本社会の中で支援から取り残されがちな、一度犯罪行為に及んだ少年や国籍・文化の違う人々への活動を展開しています。更生保護支援では、非行少年が社会復帰できる社会を目指し、民間ボランティアである保護司や専門の社会福祉士等とともに、新たな更生保護の担い手の創出等に取り組んでいます。在日外国人支援では、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、イスラム教徒を中心とした在日外国人の困窮課題に取り組み、相談者のニーズに合わせて問題解決を支えています。

Toward 2031 これからの10年に向けての私たちの宣言

テロリストやギャングと呼ばれる人々と、10年間対話する中で分かったことがあります。
それは彼らのほとんどが、”私たちと同じ若者”であるということ。

そして彼らの多くが、もともと過激な思想を持っている人間なのではなく、
武装組織による強制的な加入や、誘拐されてからの洗脳、仲間を殺されたことへの憎悪、経済的苦難や政府や国際社会への怒りから過激化してしまったという事情があります。

若者は本来、社会の未来を担い、未来を創る存在です。
だとすれば、彼らは社会にも戻れず、全てから究極的に取り残されてきた若者です。
もし、いわゆるテロ組織や武装組織にいる若者たちが立ち直り、
未来を創る存在として、社会に復帰することができたら、どんな世界になるでしょうか。

そうした想いから、この度「テロや武力紛争に関わる若者の権利宣言」を公表します。
私たちはここからの10年、この宣言事項を国際規範として実現するべく、活動してまいります。

テロや武力紛争に関わる
若者の権利宣言

“Declaration of the Rights of the Youth Affected by Terrorism and Armed Conflicts”

 この地球で未だに続く、テロや武力紛争、そしてそれらによって生み出される難民や飢餓、社会の分断、さらなる憎しみの連鎖を直視し、全ての人間が持つ人権の尊さとその重要性を改めて認識する。
 そして、人間の安全保障という概念の下に、全ての人間が、恐怖からの自由、欠乏からの自由、尊厳を持って生きる自由を持つことが、持続的な平和、そしてテロや武力紛争の解決に不可欠であることを改めて認識する。また、この点において、2030アジェンダが掲げる「誰一人取り残さない」という姿勢の重要性をも改めて認識する。
 また、若者・平和・安全保障(YPS)アジェンダに沿い、特にテロや武力紛争の解決と平和構築、紛争予防において、子どもでもなく大人でもないその中間的存在だからこそ独自のニーズを持つ若者の権利の重要性を改めて認識する。
 なお、若者の定義においては、平和と安全保障における若者の役割を示した国連安全保障理事会決議2250において18~29歳とされている。しかし、各国、各地域、各機関によって状況は異なることから、15歳以上や39歳以下といった人々をも含む柔軟性を持っていることを確認する。
 さらに、その若者の権利において、政策においても、実践においても、国の軍隊と異なるテロ組織を含む武装集団に関わっている若者が取り残されていることを確認する。そしてそのことが、テロや紛争をさらに助長し、持続的平和を損なう大きな要因となっていることをも確認する。故に、そうした若者をも含めた、若者の権利を全世界的に確認する必要があることを確信する。
 当「テロや武力紛争に関わる若者の権利宣言」 は、社会の各個人、各機関および各国家が、国の軍隊と異なるテロ組織を含む武装集団に関わる若者をも含めたすべての若者に対して、人種、国籍、性別または信条や宗教などに関する一切の事由に関わりなく、以下の諸原則を尊重および遵守し、すべての人民とすべての国とが達成すべき共通の基準となるように、宣言する。
  • 第1項

    若者は、国の軍隊と異なるテロ組織を含む武装集団に関わっているとしても、変わらず若者であり、社会を良くする主体者でもあると認識されなければならない。また、そうした若者も含め、若者の声は広く政策やその実践に反映されなければならない。

  • 第2項

    若者は、国の軍隊と異なるテロ組織を含む武装集団に関わっているとしても、子ども期から成人期の移行過程にあり、特殊な立場に位置することを考慮し、状況や文脈に応じて若者としての独自のニーズに対応されなければならない。

  • 第3項

    若者は、国の軍隊と異なるテロ組織を含む武装集団に強制的・半強制的・環境的に動員されている場合に際して、若者として生きることができるように、個々人のニーズに合わせたケアや支援、保護などの必要な措置を受けることができなければならない。

  • 第4項

    若者は、テロ組織を含む国の軍隊と異なる武装集団において犯罪行為を行った場合に際して、人道に対する罪や戦争犯罪といった重大な違反行為を除き、更生やリハビリテーションを中心とした措置を受けることができなければならない。また、特に紛争影響地においては、慢性的な貧困や人権侵害、不正義をはじめとする犯罪行為の環境的要因を考慮し、修復的司法および正義が十分に検討される必要がある。

  • 第5項

    若者は、国の軍隊と異なるテロ組織を含む武装集団から自発的に脱退をしたいと考えた際には、脱退できるようにケアや支援、保護を受けることができなければならない。また、自発的に脱退した際には、原則として懲罰ではなく更生を目指す措置が取られるべきであり、そこでは積極的に適切な恩赦の活用も検討されるべきである。

  • 第6項

    若者は、国の軍隊と異なるテロ組織を含む武装集団に関わっているとしても、テロリズムや武力紛争による直接的および間接的被害者である場合に際して、適切にケアや支援、保護を受けることができなければならない。これは人道的側面を越え、さらなる暴力を予防するためにも被害者はケアされる必要があり、そこでは一般的には被害者として認識しにくい構造的な被害者も存在することが意識されなければならない。

  • 第7項

    若者は、国の軍隊と異なるテロ組織を含む武装集団に関わっているとしても、若者としてその役割を果たすことができるように、飢え、病気、障害など全ての分野において適切なケアを受け、身体的、精神的、経済的に健やかに過ごせるよう、あらゆる搾取から保護されなければならない。また、親や保護者がいない若者や一定の住居も持たない若者は適切に支援されなければならない。

 アクセプト・インターナショナルは、本宣言が持つ目標に向けて、本宣言を通じて、テロや武力紛争に関わる若者の権利への社会的認識を向上させ、武装集団や各国政府、国連、NGO、市民社会などにおいてそうした若者に関する幅広い議論を促進し、既存の国際人道・人権法を補完し、そして実際の行動への変化をもたらすべく、活動する。
以上 NPO法人アクセプト・インターナショナル 代表

同宣言について、さらに詳しく知りたい方はコンセプトノートをご覧ください。

Special Thanks

改めまして、10年間ありがとうございました。
そしてこれからもどうぞよろしくお願い致します。
日本発の取り組みで、憎しみの連鎖をほどいていきたいと思います。

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