2025年10月10日、イスラエルとハマスの間で停戦合意が発効しました。その後のガザの現状と当団体としての今後の方針について簡単にご報告いたします。
停戦合意後のガザの人々の声
私たちは超党派の若手リーダーによる新たな和平に向けた対話会合に並行して、皆様からのご寄付のもと、ガザ市内のキャンプにて安全な水の供給を行ってきました。
停戦合意後も現地とコミュニケーションをとっていますが、依然として事態は深刻です。
実際、「ようやく停戦になった」「殺戮が止まった」という声がある一方で「2年も続いた攻撃で何に喜びを感じていいかわからない」「破壊されて帰る家もない」と答える方も多くいます。
避難民キャンプの住民(画面上)とのビデオ通話の様子。画面下の男性は通訳として通話に参加しているイエメン事業現地代表のアムガッド。
現在の状況について、食料については時折支援がある一方で、住民たちは口をそろえて「水が本当に足りない」と話しており、飲料水へのニーズは非常に高い状況です。また、物資の搬入は進められている一方で供給が追いついていないためあらゆる物価が高騰しており、十分な食料を購入することも難しい現状があります。
さらに、建物の9割以上が破壊されているため家に帰ることができない方が多くいます。支援が届きやすい大規模なキャンプに移動するにしても費用がかかるうえ、道中の安全も確保されていないため、子どもや高齢者を抱える世帯を中心に現在のキャンプに留まる決断をする人も多く存在しています。移動と一口に言っても、決して簡単なことではないのです。
ビデオ通話で寄せられた現場の様子
今後の方針
先述した状況を踏まえ、私たちは引き続き皆様からのご寄付をもとに、ガザ市内のキャンプで給水支援をはじめとした緊急人道支援を継続していくことを決定いたしました。
また、来月からはさらなる活動の拡大とより多くの方のご参加を目的に、ご寄付キャンペーンも実施する予定です。
停戦について好意的な評価も一部でなされていますが、苦境の中で現場を生きる人々にとってはここからが正念場です。そして日本をはじめとした国際社会がパレスチナへの関心を持ち続け、行動することを多くの人が望んでいます。
私たちはそのためにも、善き第三者としてパレスチナの主要政党・組織、市民社会の若手リーダーたちによる新たな和平プロセスも同時並行で進めていきます。
ここ日本から皆様と共に歩みを進めるべく、今後ともご寄付を通じたご参加を何卒よろしくお願いいたします。