いつも温かなご支援をありがとうございます。
私たちは皆様からのご寄付をもとに、パレスチナの新たな和平プロセスを見出すため、若手リーダーとの対話会合に取り組んできました。
その対象となるのは、ヨルダン川西岸地区やガザ地区にいるパレスチナの若手リーダーだけでなく、そのほかの地域で暮らす人々も含まれます。今回はパレスチナのルーツを持つヨルダンの若者たちを中心に会合を行いました。
「パレスチナの団結」と「平和に向けて若者たちが果たすべき役割」をテーマとした今回の会合について、若者のリアルな声とともにお伝えします。
※参加者のリスク管理上、モザイクをかけています。
「パレスチナ人の団結」が必要とされている
これまでの対話会合から、パレスチナの若者たちは「パレスチナ人の団結が必要だ」と確認しあってきました。「パレスチナ人」と呼ばれる人々には、実に多様なバックグラウンドがあります。ガザ地区やヨルダン川西岸地区に暮らす人、これらの地域の中でも自身や家族の身を守るために故郷を離れ国内避難民とならざるを得なかった人、2023年10月7日以来続くガザでの紛争やそれ以前の紛争のために周辺国に逃れた人やその子孫などさまざまです。
今回対話会合を実施したヨルダンでは、多くのパレスチナ難民がヨルダン国籍を付与され、いわゆる「パレスチナ系ヨルダン人」が人口の中で大きな割合を占めると言われています。実際に会合の参加者たちも、パレスチナとヨルダンの二つのアイデンティティを持っていたり、パレスチナを一度も訪れたことがなかったりする人もいるなど、パレスチナ人といっても決して一枚岩ではありません。
また、同じパレスチナの土地に住んでいる人の中でもガザ地区とヨルダン川西岸地区を行き来することはできず、それぞれ別の政治主体が統治している状況で、民主主義の基本となる選挙も自治評議会(国会に相当)レベルでは2006年以降行われていません。
このようにパレスチナは地理的・政治的に分断されており、パレスチナの大きな弱点にもなっています。
そのため、この地における和平を考える上で必要なことの一つは、パレスチナ内部の分断を乗り越え、新たなプロセスを進めていくことだと私たちは考えています。
今回のヨルダンの会合でも、パレスチナ内部の分断を乗り越えることが必要だという意見が多く挙がりました。
「(ヨルダンに住む自分たちには)パレスチナ領内の人とのコミュニケーションの機会がない。今もパレスチナ領内にいる人は、パレスチナの外で暮らしている人々がパレスチナに対して関心がないと思っている節があるが、実際にはパレスチナに戻りたいと思っている人もいて、誤解が生じている。お互いがコミュニケーションを取れる場を作ることが団結の第一歩ではないか」
「パレスチナの政党は各々が独自のマニフェストを持っているが、パレスチナ自治政府は一部のものだけを採用し、意思決定を独占してしまっている」
若者の役割
このような分断を乗り越えるために、若者たちが果たすべき役割は何かについても議論しました。①パレスチナ人同士の対話の促進
様々な立場のパレスチナ人が、お互いの実情や抱える困難を理解し合うためのコミュニケーションに関する問題意識があがりました。
「ガザと西岸にいる人、移民・難民として離散したパレスチナ人を含めた対話を行うことで、共通のアイデンティティを築くことを目指したい」
「一部のパレスチナ人ではなく、パレスチナ人全体の意見を政治に反映したい」
②国際社会への訴え
また、国際社会にパレスチナ人の声を届けていく必要性も強調されました。
「国際的な会議に参加したり、日本の支援者と協力したりしたい」
「国際社会の訴えを効果的に行うために、自分たちのアドボカシー能力とコミュニケーション能力を高めるべきだ」
今回の対話を通じて、これまでに開催してきた日本や中東各国での会合で出された意見と共通していることが改めて確認されました。
こうした共通の意見をベースに、立場の異なるパレスチナの若者自身が新しいパレスチナをつくっていくため、彼らを繋ぎ対話を実現するプラットフォームを引き続き構築していきます。
パレスチナ事業部 向出よりコメント
今回の会合では、パレスチナとヨルダンの二つのアイデンティティを持つ人がおり、どのような議論になるのだろうかとやや不安でしたが、パレスチナ内部の分断を乗り越える必要があると参加者の多くが認識していたのが印象的でした。
議論でもあがっていたように、パレスチナ人同士が政治的なコミュニケーションをとる機会がなかったために分断が起きているのであるなら、私たちアクセプト・インターナショナルはさらにその対話の場を提供すべきだと考えます。今後もさらに広範な地域で多様なステークホルダーを対話に巻き込みながら、パレスチナの団結と新たな和平プロセスの構築に向けて一層取り組みを進めてまいります。
日本から、パレスチナの和平を目指す取り組みに思いを寄せ、ともに支えていただけましたら幸いです。