「私たちは単なる犠牲者ではない」ガザの若者たちが語る未来へのアイデア|ガザ人道支援キャンペーン|NPO法人アクセプト・インターナショナル

人道支援と対話構築の両輪で
パレスチナ和平の新たな道を切り拓く

ガザ人道支援・新たな和平構築に向けた寄付キャンペーン

停戦合意後も
予断を許さない状況が続くパレスチナ。
脅かされる命を守りつつ
真の和平を実現するために、
皆様の力をお貸しください。

「私たちは単なる犠牲者ではない」ガザの若者たちが語る未来へのアイデア

パレスチナ内の分断を乗り越え、団結して新たな和平への道筋を見出していくことを目指した対話会合。

これまでもガザの若手リーダーを含めて開催してきましたが、今回はガザの若者たちを中心に対話を行うべく、停戦中のこのタイミングでハイブリッド会合を行いました。

このハイブリッド会合は「現地で奮闘する若者たち」の一人として今回のキャンペーンページでもご紹介したアハマドの協力のもと、事前の調整や議論を経て実現しました。

当日は約45名の若者(19〜33歳)がガザ市内とオンラインから参加し、これまで国際社会や年長の政治指導者が主導してきた和平プロセスにおいて見過ごされてきた声、そして未来に向けたアイデアを数多く聞くことができました。

本記事ではそのリアルな声をご紹介します。

アジェンダ①:今、パレスチナ内や国際社会の重要な意思決定者にどのような声を届けたいか

各国政府や国際社会においてパレスチナ問題が語られる際、パレスチナの人々、特にガザの人々や若者たちがいないことも往々にしてありますが、現場の声を聞かずして本質的な解決はなし得ません。

そこでまずは、彼ら彼女らが重要な意思決定者に対して伝えたい意見を聞いたところ、以下のような声が上がりました。

「まずは素晴らしい人々と議論する機会をいただけて感謝します。ガザでは誰もが人道支援と食べ物を必要としているとメディアが報じることで、子どもやお年寄り、女性たちが持つ夢や記憶がかき消されています。正直、メディアのそうした言説を聞くと笑ってしまいます。面白いからではなく失望するからです。私たちは夢や目標を持つ人間なのです」(文学専攻の大学生・女性)

「パレスチナが直面する大きな問題は政治的分断であり、それを解決しなければなりません。そのためにも、各国政府や支援団体には、若者たちが自由に考えを話し、よりよい解決策を考えるための安全な場を整えてほしいと思っています。私たちは犠牲者であるだけでなく、パレスチナにおいて解決策を見出していくパートナーです」(ITエンジニア・男性)

「ガザの若者たちの支援にもっと注力するべきだと考えています。彼らはエネルギーもスキルもコミュニティをよくするアイデアも持っているのです」(ガザの人道支援ワーカー・女性)

まさにこれまでの国際社会主導の議論では、こうした若者たちの現実の声は排除されてきました。だからこそ彼ら彼女らのような若者がガザやパレスチナの未来を決める最も重要な意思決定者になるべきだと私たちは考えます。

一方で、若者たちがガザの未来をつくるための具体的な方法を学び、能力を高めていくための高等教育の機会を得ることは今のガザでは難しい現状があります。そのため、ガザからの留学生をエジプトなどの周辺国や日本で受け入れるための議論を関係各所と行なってきました。

しかし、それについては以下のような複雑な心境が語られました。

「ガザの再建のためには高度な科学技術や知識が必要とされているが、故郷を離れたあとにガザに戻って来れる保証はない」

「危険に晒されている家族や自分の故郷を失うリスクとの間で大きなジレンマがある」

まさしくパレスチナ難民の歴史や避難のリスクも理解しているからこその意見であり、だからこそ難しい判断になります。私たちは日本の善き第三者として、今後もこうした点を考慮したうえで現実的な手段を見出していく必要性を改めて認識しました。

アジェンダ②:どのようにして意思決定者に声を届けるか

ガザの人々、特に若者たちが持っている様々なアイデアや意見は重要にも関わらず、これまでは制度的・政治的に、パレスチナ内部からも国際社会からも排除されてきました。

だからこそより戦略的に、どうしたら重要な立場にいる意思決定者に声を届けることができるかといった点もまた重要なポイントです。この論点でも様々な意見があがりました。

「改めて、私たちガザの声を聞いてくれる人がいて嬉しいです。定期的かつ持続的にこうした若者の声を拾い上げる場を持つことが重要だと思います。そして私たちも、政治的な意思決定に関する知識や能力をもっと学んでいきたいです」(農業技術者・男性)

「昔は街路にポスターを貼ってメッセージを送っていましたが、今はソーシャルメディアの時代にあり、AI技術も大きな影響力を持っています。大統領でさえ携帯電話を持っているからこそ、それらを活用して特定の人々にメッセージを伝えることもできます。若者たちが共に声を上げてひとつの明確なメッセージを届けられれば、無視できない強力なものになると思います」(ソフトウェアエンジニア・男性)

「そのひとつのメッセージをつくるためにも、ガザだけでなく、ヨルダン川西岸、エルサレム、そしてパレスチナ域外の若者たちも参加するプラットフォームが必要です。今回のような対話の場で議論し、提言をまとめて提出することで、人々の声を拡散することができると思います。その中で、若者の代表機関を組織することも重要だと思います」(若者支援組織のメンバー・女性)

最後には、今回の会合の共催者からもありがたい声をもらいました。

「今日ここにきたガザの若者は、対話への参加機会を得られたことに対して非常に熱意を持っており、ガザで起きていることや戦後の状況、そしてどのように自分たちの声を伝えるべきかという点について、それぞれが自分の意見を持っています。アクセプト・インターナショナルの取り組みが、そうした声を届ける強力なプラットフォームとしての役割を果たすでしょう。今回このような対話の共同主催者となれたことを光栄に思います」

今後の展望〜意思決定プロセスへのさらなる接続に向けて〜

以上のような現場の声を聞くことで、私たちがこれまで実施してきたこと、そしてこれから広げようとしている対話の場の重要性を改めて認識する機会となりました。

そして今回の声を受けて、彼ら彼女らが民主主義や意思決定のシステムについて学ぶためのハイブリッド研修の実施も検討していきます。

また、このような現場の声に耳を傾けつつも、水面下では主要国の元首相や大臣級、パレスチナ自治政府やパレスチナ解放機構の関係者といった政治リーダーとも交渉・対話を行なってきました。

こうした政府レベルの意思決定の動きにも今後さらに接続・統合させていきながら、引き続き善き第三者として、本質的な和平の実現に貢献していきます。

そのためにも、現在実施している寄付キャンペーンをなんとしてでも達成させたいと考えています。パレスチナ和平に向けた日本発の新たなアプローチにご賛同いただけましたら、以下のボタンからぜひご寄付をいただければ幸いです。

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