DRR PROJECT|NPO法人アクセプト・インターナショナル
テロのない世界を、
ソマリアから。
「人生をやり直したい」
テロリストと呼ばれる人々がそう思った時、そこには極めて
高い壁がいくつもあります。私たちは、彼らとともにその壁
を乗り越え、テロ・紛争解決を導く好循環を創り出します。

あなたのご支援で
"テロリスト"が武器を捨て
人生をやり直すことができます

「社会からどう思われているかは想像できる。それでもやり直したいんだ。」

"テロリスト"になった青年、アブドゥラヒ18歳。
終わらない紛争や日々の苦しい生活に強い不満を募らせていた中、モスクで出会った男に勧誘されました。

しかし彼は私たちの取り組みを知りテロ組織からの脱退を考えていたところ、
21歳のときにソマリア軍に逮捕され刑務所に入りました。
社会からの目は非常に厳しいものでしたが、6ヶ月間のプログラムを経て、若者としての新たな人生を歩み始めました。

アブドゥラヒのようなテロ組織に所属している若者たちを救うため、あなたのご支援が今まさに必要です。

背景

1980年代に勃発した内戦が全国に拡大し、21年間の無政府状態を経験した国、ソマリア。2012年に政府が樹立されましたが、南部の大半は、いわゆるテロ組織「アル・シャバーブ(Al-Shabaab)」に支配され、毎日のように起こるテロ行為により甚大な犠牲者が出ています。

私たちNPO法人アクセプト・インターナショナルは、"テロリスト"とされる紛争当事者を、排除するのではなく受け入れ、彼らの脱過激化と社会復帰を支援することこそがテロ・紛争解決の糸口になると考え、活動してきました。

ソマリアをなんとかしたいとの思いで立ち上がってから9年、ソマリア政府からアル・シャバーブの投降兵・逮捕者に対するプロジェクト導入を取り付け、2019年より「DRRプロジェクト」を実施してきました。

※「テロ組織」や「テロリスト」の定義は統一されたものがなく非常に多岐に渡っていますが、私たちは用語のもつ政治性を鑑み、いわゆるテロ組織、”テロリスト”、暴力的過激主義組織、のように表現します。 ※スタッフや受益者の安全を確保するため、個人や団体を特定できないような加工をするとともに、背後からの写真を使用している箇所がございます。
背景

1980年代に勃発した内戦が全国に拡大し、21年間の無政府状態を経験した国、ソマリア。2012年に政府が樹立されましたが、南部の大半は、いわゆるテロ組織「アル・シャバーブ(Al-Shabaab)」に支配され、毎日のように起こるテロ行為により甚大な犠牲者が出ています。

私たちNPO法人アクセプト・インターナショナルは、"テロリスト"とされる紛争当事者を、排除するのではなく受け入れ、彼らの脱過激化と社会復帰を支援することこそがテロ・紛争解決の糸口になると考え、活動してきました。

ソマリアをなんとかしたいとの思いで立ち上がってから9年、ソマリア政府からアル・シャバーブの投降兵・逮捕者に対するプロジェクト導入を取り付け、2019年より「DRRプロジェクト」を実施してきました。

※「テロ組織」や「テロリスト」の定義は統一されたものがなく非常に多岐に渡っていますが、私たちは用語のもつ政治性を鑑み、いわゆるテロ組織、”テロリスト”、暴力的過激主義組織、のように表現します。 ※スタッフや受益者の安全を確保するため、個人や団体を特定できないような加工をするとともに、背後からの写真を使用している箇所がございます。

プロジェクトの
コンセプトと成果

DRRプロジェクトは、アブドゥラヒのようにいわゆるテロ組織に加入してしまった若者に新たな人生を提案し、支えるために考案されました。

DRRとは、脱過激化・社会との接点構築・社会復帰を意味し、これを中心に据えた実用的なプログラムをソマリア政府に提案し、協働で実施してきました。

具体的には例えば以下6つのプログラム等が含まれています。これらを通して、アル・シャバーブの投降兵や逮捕者の社会復帰を後押しします。

ケアカウンセリング

職業訓練の補助

和解に向けた対話セッション

幻滅対策セッション

身元引受人の調整

釈放後のフォローアップ

こうした取り組みにより、2021年2月時点では、アル・シャバーブの投降兵108名、逮捕者113名を受け入れ、彼らの脱過激化と社会復帰を実現しました(間接支援を含めると投降兵320名、逮捕者750名へのプログラム提供)。
実際の成果として、2021年2月時点でアル・シャバーブから計107名の投降が実現しました。

参加者の声

アブドゥラヒ (21歳)

組織の命令で爆弾を設置しようとしたところ、ソマリア軍に逮捕されて刑務所に来た。自分が行ってきたことに後悔していたけど、房の中で何もできず悶々としていた。そんな中、アクセプトのプログラムで、社会に出てから待ち受ける困難とそれに対する心構えを学び、夢を語り合った。釈放された今、諦めずに自分自身や社会に向き合い続けたいと思うよ。

新たに導入する
プログラム

こうしたDRRプロジェクトを強化するとともにアブドゥラヒのような方々をより多く救うべく、以下4つのプログラムを2020年夏より試験的に行ってきました。

実際の成果として、「2021年2月時点でアル・シャバーブから計107名の投降が実現しました。また、一方的な矯正ではない私たち独自の宗教再教育プログラムや、PTSD等への専門的な心理療法でも効果があらわれています。そこでこの度、それらを正式に導入することを決めました。

投降リーフレットの制作と展開

アル・シャバーブから奪還したエリアを中心に、ソマリア軍やコミュニティリーダーと連携しながら、新たな投降を促すためのリーフレットを制作し配布します。

リーフレットには、特別恩赦を含む投降プロセスの詳細が記されており、読み書きができない方々のためにそれらを表現する挿絵も入れています。

コミュニティに対する説明会なども加えながら、現役のアル・シャバーブメンバーへのリーチを広げ、新たな生き方の選択肢を提案します。

投降に関する相談窓口の設置

投降リーフレットを見たアル・シャバーブのメンバーやその家族からの問い合わせ対応を行うため、ソマリア軍とともに電話窓口を設置します。

「抜け出したいがその方法がわからない」
「家族がアル・シャバーブに加入してしまった」
「アル・シャバーブにいる兄弟を助けたい」

これらの問い合わせに適切に対応するため、受電担当者の研修も行います。

平和や和解について考える
イスラーム教講座

アル・シャバーブに加入してしまった若者には、イスラーム教の聖典を読んだことがなく、偏った理解をしている人も少なくありません。

また、アルシャバーブによって過激な思想に洗脳させられた方々も多数います。

それらを一方的に矯正するのではなく、社会との和解や罪と赦し、平和についてともに考えながら、テロリズムではない生き方を模索していきます。

PTSD等に対する心理療法

戦闘中の経験から、元アル・シャバーブのメンバーは心理的なトラウマやダメージを抱えている人は多く、刑務所の中でそのような心理的な傷を深めてしまう事例も散見されます。

そこで専門の心理カウンセラーを雇い、彼らの心の傷に対して専門的なケアを行うことで、彼らが社会に復帰していくことを支えます。

メッセージ

2019年4月にDRRプロジェクトを開始してから、実に1年半が経ちました。皆様の温かいご支援のおかげをもちまして、これまで多くの人々が武器を置き社会に戻っていきました。DDR(武装解除・動員解除・社会復帰)を実施することができないアクティブな紛争地において、DRR(脱過激化・社会との接点構築・社会復帰)こそが求められているという私たちの仮説はしっかりと成果に結びついています。

もちろん開始してから全てが順風満帆であったわけではありません。アフリカ大陸最強最大のいわゆるテロ組織となったアル・シャバーブの拡大と攻撃は今も続いています。また、2020年8月には、元々アル・シャバーブにいた逮捕者の方々が大規模な脱獄事件を起こし、私たちが受け入れていた逮捕者を含め22名がその際の銃撃戦で亡くなりました。さらに、新型コロナウイルスの発生に伴い、投降兵や逮捕者の方々が一日中部屋の中に閉じ込められることになり、80名や90名がすし詰めとなった居房では様々な感染症と憎悪が渦巻いています。

しかしそのような中であっても、むしろそうした中だからこそ、私たちは現場の最前線で取り組みを続けてきました。1人1人に向き合い、彼らを否定するのではなく、彼らの意見や想いをまず受け止め、そこから共に新たな人生を考えその準備をしていく。そうした姿勢で彼らの再出発を支えることで、彼らは確かに変わっていきました。

そうした取り組みに加えて、2020年9月頃からは、ソマリア軍からの要請を受け投降促進のオペレーションを並行して実施するとともに、投降兵・逮捕者のケアにおいても追加施策として、私たち独自の宗教再教育プログラムとPTSDに対する心理療法プログラムをもパイロットプロジェクトとして行ってきました。こちらも着実に成果が出てきており、皆様の温かいご支援を以って正式にDRRプロジェクトのプログラムに組み込む予定です。

紛争地ソマリアの刑務所の中で継続的な活動を許されている唯一の組織として、そして皆様から多くの想いを託されている組織として、その責任をしっかりと心に刻み、引き続き、使命に邁進したいと思います。

必要でありながらも誰もできないことこそ、私たちアクセプト・インターナショナルがやるべきことだと信じています。
ご協力の程、どうぞよろしくお願い致します。

NPO法人アクセプト・インターナショナル
代表理事
永井 陽右
国際的にも
高く評価されています

パリ平和フォーラム2020にて「深刻な世界課題を解決する取り組み」として日本から初めて採択されました。

パリ平和フォーラムとは、フランスのマクロン大統領が主導するグローバルなフォーラムで、世界中から選び抜かれた地球規模の課題に対するプロジェクトが公開され世界に紹介されます。PKO(国連平和維持活動)や赤十字国際委員会、マイクロソフトなどと並び、私たちの取り組みが選出されました。

いわゆるテロ組織が今現在も世界で暗躍しているなか、それを力で制圧するのではなく、受け入れてケアする、という姿勢とこれまでの成果が国際的に高く評価されました。

DRRプロジェクトは
年3,800万円規模のプロジェクトです。
極めて難しい紛争地ソマリアにおいて、
必要なところに資金使うべく、
限りなく予算を切り詰めて実施しています。

日本発の世界的なイニシアチブに向け、引き続きお力添えいただけますと幸いです。
ご協力くださる皆様と共に、本プロジェクトを実現して参ります。

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