いつも大変お世話になっております。NPO法人アクセプト・インターナショナルソマリア緊急支援チームです。前回の更新から滞ってしまい、大変申し訳ございません
本日はソマリア中部における追加支援の施策について、具体的な内容をお伝えします。
2022年11月より、中部・ドゥサマレブ近郊の3つの国内避難民(IDP)キャンプで、食糧の追加支援を実施しています。
対象者は5歳未満の子どもや授乳中・妊娠中の女性など、干ばつやアル・シャバーブとの紛争から逃れて来た特に脆弱な状況にある方々を抱える計563世帯(計3,380名程度)です。また、対象となる避難民の方々の数が増えているキャンプにおいては、随時追加で支援を届けています。
人々が生活するために必須にも関わらず、厳しい生活環境や食糧価格高騰などにより手に入りにくくなってしまっている、米(10kg)・食用油(3L)・豆(2.5kg)・粉ミルク(2.5kg)を主に配布しています。
これらに加え、支援対象の脆弱な子どもや女性の栄養補給の上で特に不足している食品を提供すために、対象者の方々の健康状態の確認や聞き取りのもと、現地の主食である小麦(10kg)、砂糖(10kg)、デーツ(10kg)も支援しています。
特に現地で親しまれているナツメヤシの実であるデーツは、幼い子どもにも食べやすく、たんぱく質や脂質などを多分に含む栄養源として重宝されています。また、食糧から摂取しづらいビタミンや鉄分などのミネラルの不足については、子ども用のシロップとサプリメントの提供によって補っています。
支援の範囲は食糧品の提供に留まらず、医療や教育などの社会サービスへのアクセスが乏しくなっている状況にも対処しています。具体的には、食糧品パッケージに最寄りの病院の連絡先を記載し、人々が体調不良を相談しやすい体制を整えるとともに、健康状態が特に深刻な人々を最寄りの病院を直接紹介し、診療が受けられるようにしています。
加えて、現地の小学校などをベースに、国内避難民を含む地域の子どもや若者への基礎教育や職業訓練に関する支援も開始しています。
このように、この度の大干ばつの影響を受けた人々へ食糧や健康に関する緊急支援を包括的に行っていますが、危機への対応だけでなくこうした緊急事態を招いている重要な要因である紛争の解決に向けた取り組みも同時に必要とされています。
中部ソマリアのいわゆるテロ組織アル・シャバーブの支配地域では、若者が強制的に組織に加入させられたり、干ばつや紛争の影響で苦しい生活や政情不安が続く中で、家族や家畜などの財産を守るためにアル・シャバーブに自ら加入してしまっています。こうした状況は紛争の深刻化を招き、飢きん発生リスクへの脆弱性を高めてしまいます。
だからこそ、新たに武器を取ってしまう若者を減らすとともに、いわゆるテロ組織から人々が抜け出し人生を変えるための支援が、極めて重要な意味をもちます。これまで当法人は中部ソマリアにおいて州政府と協働し、リーフレットや電話相談窓口によるアル・シャバーブからの投降促進や、投降した若者たちへのリハビリ支援を行ってきました。
先日も、投降兵リハビリ施設にて基礎教育、ケアカウンセリング、イスラーム教の再教育ゼミ、職業訓練などの12か月のリハビリプログラムを終えて卒業した若者たちが、社会に戻り暴力に頼らずに新たな人生の一歩を踏み出しました。
このように、緊急対応と紛争解決を両軸で行っていくことで、ソマリアの根本的な問題解決に臨んで参ります。今後も、紛争状況や2023年4月〜6月にかけて予測されている飢饉の発生のリスクなどを踏まえて状況を注視し、現地で必要とされる施策を実施していきます。
現在挑戦している4,000万円の寄付額目標達成のため、皆様のご支援をよろしくお願いいたします。ご協力のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。