大干ばつや紛争下の厳しい生活環境|NPO法人アクセプト・インターナショナル

ウクライナ危機がもたらす新たな緊急事態を防ぐ。
26万人が亡くなった“大飢饉”を繰り返さないために。
ソマリア大干ばつ
緊急支援プロジェクト

大干ばつや紛争下の厳しい生活環境

新年あけましておめでとうございます。NPO法人アクセプト・インターナショナルソマリア緊急支援チームです。昨年は皆様の多大なるご支援により計2万人以上の方々に緊急支援を届けることができたこと、改めて厚く御礼申し上げます。

しかし、雨期である2022年10月から12月の期間に十分な雨が降らず干ばつが長引いているソマリアでは、引き続き支援が必要とされています。当法人では、2022年8月より実施してきたソマリア中部・ガルムドゥグ州ドゥサマレブ近郊の国内避難民(IDP)キャンプ10か所への食糧・医薬品・水の支援に加え、11月より特に支援が必要と判断された3つのIDPキャンプで追加の支援施策を実施しています。

本日は、当法人のプロジェクト実施地に逃れてきた人々が、どのような状況に置かれているのかをお伝えします。

人々が住んでいるテントは木の枝と布で作った簡易なもの

キャンプに逃れてくる国内避難民の数は増加の一途をたどっています。その背景には、長引く大干ばつの影響に加え、いわゆるテロ組織アル・シャバーブとソマリア政府との抗争による国内の治安悪化が絡み合っています。

10月より中部・南部にてソマリア政府主導でアル・シャバーブの掃討作戦が実行されていますが、これに対抗する形でアル・シャバーブが攻勢を強めています。戦闘が激化する中で、中部ガルムドゥグ州内のアル・シャバーブ支配地域や戦闘地域から命からがら逃れてきた人々が、これらのIDPキャンプで生活しています。

こうした人々への国際組織や現地機関の支援は不足しており、木の枝と布で作った即席のテントを張り、非常に厳しい環境で生活しています。実は、このような国内避難民の多くが女性や子どもです。成人の男性は、アル・シャバーブ支配地域で戦闘に参加させられてしまっていたり、すでに戦死、あるいは離婚などによりともに避難してくることができないこともしばしばです。

また彼らの中には、適切な食糧にアクセスができずに栄養失調や高熱・下痢など深刻な健康状態に置かれている人も多くいます。これには長引く干ばつによる食糧・水不足が大きく影響しています。

ソマリアの人々の多くは遊牧を行うことで生計を立てていますが、家畜の飲み水と牧草が枯渇し家畜が死んでしまうことで、肉やミルクなどの貴重な栄養源を得られなくなってしまっています。また、それらの家畜を売って得ていた現金収入もなくなったことにより、生活に必要な食糧品を手に入れられない状況に陥っています。

また、ウクライナ危機などによる世界的な食糧価格の高騰や気候変動の影響で、輸入していた食糧品やその原料の価格が高騰し、食糧品へのアクセスがより一層厳しくなったこともこの状況に拍車をかけています。

IDPキャンプで食糧などの支援を受け取る女性たち

このような状況を踏まえ当法人では、2022年11月より深刻な状況に置かれる国内避難民が増加している3つのキャンプにおいて、特に脆弱な状況にある女性と子どもを抱える計563世帯(計3,380名程度)に対し、緊急の食糧を支援しています。また、常に現地行政機関などとキャンプの状況を確認し、対象の避難民が増えているキャンプについては、追加の食糧支援も届けています。

次回の新着情報では国内避難民キャンプでの具体的な支援内容をお伝えします。本年もぜひ皆様のご支援のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

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